2025年4月のこんぶつくだ煮1kgの全国平均価格は2959円で、前年比+9.582%。盛岡や札幌など高価格地域では4000円近くに達し、特に高松は+30%以上の急騰。一方で鳥取や宮崎などでは2000円台前半にとどまる。原料昆布の不作や加工コストの上昇が価格に影響しており、今後も緩やかな価格上昇が続くと予想されるが、消費行動の変化も注視が必要。
小売物価統計
こんぶつくだ煮小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 盛岡 | 札幌 | 八戸 | 高松 | 福井 | 徳島 | 大津 | 旭川 | 富山 | 枚方 |
最新値[円] | 2959 | 3919 | 3875 | 3775 | 3767 | 3662 | 3528 | 3517 | 3507 | 3446 | 3439 |
前年同月比[%] | +9.582 | +20.07 | +8.971 | +8.884 | +30.84 | +19.13 | +13.95 | +21.74 | +10.42 | +13.47 | +14.98 |
こんぶつくだ煮小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鳥取 | 秋田 | 宮崎 | 津 | 和歌山 | 松江 | 甲府 | 山形 | 那覇 | 佐賀 |
最新値[円] | 2959 | 1891 | 1939 | 2058 | 2124 | 2162 | 2176 | 2255 | 2269 | 2295 | 2372 |
前年同月比[%] | +9.582 | -7.122 | +2.541 | -0.979 | +2.952 | -1.36 | +15.23 | +2.207 | +2.227 |
こんぶつくだ煮の推移


詳細なデータとグラフ
こんぶつくだ煮の現状と今後
2014年から2025年4月までのデータによると、こんぶつくだ煮1kgの全国平均価格は2959円で、前年同月比で+9.582%の上昇が確認されています。これは、2010年代中頃には2500円前後で安定していた価格帯からの明確な上昇を意味しており、特に直近数年の伸びが顕著です。
伝統的な保存食である昆布佃煮は、近年の和食ブームや健康志向とともに再注目されている1方で、製造・調達コストの上昇が価格に反映され始めています。
地域別価格分布と傾向の違い
高価格地域と低価格地域の差は最大で2000円以上にも達しており、非常に大きな地域格差が存在します。
高価格地域(上位10)
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盛岡:3919円(前年比+20.07%)
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札幌:3875円(+8.97%)
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8戸:3775円(+8.88%)
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高松:3767円(+30.84%)
これらの地域では、高品質な北海道産昆布の流通や、地元企業による伝統的な製法・小規模生産が価格上昇を後押ししています。また、プレミアム志向の商品が多く出回っていることも1因です。
低価格地域(下位10)
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鳥取:1891円(前年比-7.12%)
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秋田:1939円
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宮崎:2058円(+2.54%)
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津:2124円(-0.979%)
これらの地域では、量販店向けの大量生産品や簡易包装品の比率が高く、また昆布の消費文化が比較的薄い地域もあるため、平均価格が抑えられています。
価格上昇の背景にある供給と産業構造の変化
こんぶつくだ煮の価格上昇は、単に原料高だけではなく、以下の複合要因が影響しています:
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北海道産真昆布・利尻昆布の収穫量減少:気候変動や海洋環境の変化による昆布不作。
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人件費・光熱費の上昇:煮炊き加工に多くのエネルギーを要するため、燃料費や電力費の上昇が直撃。
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調味料のコスト増:砂糖・醤油・みりんといった基本調味料の価格上昇が、製品単価に影響。
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パッケージの高機能化:保存性や見た目を重視する中高価格帯商品では、包装資材のコストも無視できない。
消費者行動の変化と購買傾向
こんぶつくだ煮は高齢層を中心に根強い需要がありますが、最近では若年層や単身世帯をターゲットにした小分けパックやアレンジレシピ対応商品も登場しています。
1方で、価格上昇が進むにつれ、惣菜売場での購入から手軽なふりかけや出汁パックへの代替も見られ始め、購買行動に“2極化”が進行している点も注目されます。
今後の価格動向と課題
今後のこんぶつくだ煮価格は、以下の条件により緩やかな上昇が継続する可能性が高いと考えられます:
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昆布の国産依存率の高さ:海外産昆布の流通が限られる中での原料不足が続く可能性。
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環境変化による海洋資源の不安定化
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加工業者の減少による地域供給の細り
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健康食としての再評価による1定の需要維持
ただし、価格が過度に上昇すれば、代替食品への移行が進み、中長期的には需要縮小のリスクも抱えるため、価格と品質のバランスを保つ工夫が業界全体に求められる局面にあります。
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