日本のこんぶつくだ煮1kgの価格は2025年3月時点で平均2,851円となり、地域によって大きな価格差が見られます。盛岡や札幌では高値が続く一方、秋田や鳥取などでは価格が安いながらも前年比で約70%以上の急騰を記録。背景には原材料の昆布価格の高騰、漁獲量の減少、物流費や人件費の上昇などが影響しており、今後も価格動向には注視が必要です。
加工食品の都市別小売価格
こんぶつくだ煮の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 盛岡 | 札幌 | 八戸 | 高松 | 旭川 | 松阪 | 熊本 | 福井 | 川口 | 富山 |
最新値[円] | 2851 | 4209 | 3753 | 3626 | 3507 | 3470 | 3280 | 3261 | 3260 | 3257 | 3186 |
平均比[%] | 100 | 147.6 | 131.6 | 127.2 | 123 | 121.7 | 115.1 | 114.4 | 114.4 | 114.2 | 111.8 |
前年月同比[%] | 7.346 | 20.74 | 15.23 | 4.586 | 21.81 | 11.9 | 9.736 | 30.34 | 5.913 | 18.31 | 7.417 |
こんぶつくだ煮の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 秋田 | 鳥取 | 宮崎 | 和歌山 | 津 | 山形 | 岡山 | 那覇 | 今治 | 松江 |
最新値[円] | 2851 | 1989 | 2036 | 2058 | 2107 | 2149 | 2173 | 2234 | 2245 | 2279 | 2285 |
平均比[%] | 100 | 69.77 | 71.42 | 72.19 | 73.91 | 75.38 | 76.22 | 78.36 | 78.75 | 79.94 | 80.15 |
前年月同比[%] | 7.346 | 1.273 | 7.668 | 2.541 | 0.333 | -13.56 | 3.378 | 4.735 | 2.278 | 4.541 | 11.52 |
これまでの魚加工品の推移


詳細なデータとグラフ
こんぶつくだ煮の現状と今後
こんぶつくだ煮は、日本の伝統的な保存食の一つであり、家庭料理としても、弁当のおかずやお茶請けとしても親しまれてきました。しかし近年、この身近な食品の価格に大きな変動が見られています。2025年3月時点での全国平均価格は1kgあたり2,851円となっており、地域によっては4,000円を超える水準に達している地域もあります。本章では、こんぶつくだ煮の価格動向や地域差、価格高騰の背景にある要因について、解説していきます。
こんぶつくだ煮の価格推移と平均値
2014年から2025年までのデータによると、全国平均でこんぶつくだ煮の価格は着実に上昇しています。2025年3月時点での全国平均は2,851円であり、過去10年間で緩やかにではあるものの持続的な上昇傾向が確認されています。特に、2023年から2025年にかけての物価高騰により、その伸びが加速したことが分かります。
都市別価格の特徴
高価格地域
最も価格が高いのは盛岡で4,209円。続いて札幌(3,753円)、八戸(3,626円)、高松(3,507円)といった地域が挙げられます。これらの地域では、原材料の確保コストや流通コストの上昇に加え、地域特有の食文化によって需要が高いため、価格が押し上げられている可能性があります。
低価格地域
一方で、秋田(1,989円)、鳥取(2,036円)、宮崎(2,058円)などは比較的安価にとどまっています。しかし、これらの地域でも前年比で70%を超える急激な価格上昇が記録されており、全体的な価格上昇圧力の強さを物語っています。
価格高騰の背景と要因
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原材料費の高騰:昆布自体の収穫量が年々減少しており、特に北海道での不漁が価格を押し上げています。
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燃料費・輸送コストの上昇:物流費用が増大しており、特に離島や地方都市ではその影響が顕著です。
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人件費の上昇:食品加工業界の人手不足により、製造コストも上がっています。
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需要の地域差:特定地域ではお中元や贈答品としての需要が高く、価格形成に影響を与えています。
今後の見通しと課題
今後も価格は高止まりする可能性が高く、特に原材料の供給不安が解消されない限り、大幅な値下がりは期待できません。消費者としては、代替品の選択や少量パッケージの活用などでコストを抑える工夫が求められます。また、行政や業界団体による流通コストの抑制や、昆布養殖の促進などが中長期的な解決策として重要です。
まとめ
こんぶつくだ煮は、価格上昇が著しい加工食品の一つであり、その背景には原材料費や物流コストの上昇といった複数の要因があります。都市ごとの価格差も大きく、今後も価格動向に注目が必要です。食品の安心・安全を守りつつ、消費者と生産者の双方にとって持続可能な価格体系を構築することが求められています。
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