【最新】こんにゃくいも栽培面積の都道府県別動向と今後の展望

かんしょ・豆類

2023年のこんにゃくいもの栽培面積は全国で0.323万ha、群馬県が92.57%を占めます。全国・群馬ともに前年より微減。群馬は自然条件と産業体制に恵まれた主産地ですが、高齢化や収益性の課題から今後の縮小傾向が懸念されます。

栽培面積のランキング

2023年
降順昇順
都道府県最新値[万ha]全国比[%]前年比[%]
全国0.323100-2.711
1群馬0.29992.57-1.645
栽培面積
栽培面積

詳細なデータとグラフ

栽培面積の現状と今後

2023年のこんにゃくいもの全国栽培面積は0.323万ヘクタール(3,230ha)で、前年と比較して2.711%の減少となっています。これは近年の農業全体に共通する傾向である高齢化や耕作放棄地の増加、さらには市場需要の緩やかな縮小など複合的な要因に起因します。とりわけこんにゃくいもは多年生で、収穫まで3年かかる特性や病害虫の管理の難しさから、栽培を続けるには高い専門性と労力が必要です。


群馬県 ― 日本唯1の大規模産地

群馬県はこんにゃくいもの栽培面積で0.299万haを占め、全国の92.57%に相当する圧倒的なシェアを誇ります。中山間地の火山灰土壌がこんにゃくいもの生育に適しており、冷涼で昼夜の寒暖差が大きい気候も根の肥大を促します。また、長年の栽培によって培われた知見と技術、収穫から加工・流通までを担う産業クラスターが形成されており、これは他地域には見られない特徴です。

それでも、群馬県においても栽培面積は前年から1.645%の減少がみられました。要因としては、農業従事者の高齢化、収益性の相対的低下、機械化の限界などが挙げられます。さらに、収穫までの期間が長く天候リスクも大きいため、新規3入者が少ないのが実情です。


他地域の栽培とその課題

こんにゃくいもの栽培は、群馬以外の県では極めて小規模です。1部、栃木、福島、長野、茨城などで栽培の例がありますが、面積も収穫量も極めて限定的であり、商業的なスケールには達していません。地域特産としてのブランド化を目指す例もありますが、群馬と同等の生産・流通体制を整えるには大きなハードルがあります。


将来予測と政策的展望

将来のこんにゃくいも栽培面積は、短期的には縮小傾向が続くと予想されます。とくに3つの課題が影響を与えると考えられます。

  1. 高齢化と担い手不足:技術継承が進まなければ作付け面積は減少。

  2. 病害と気象リスク:収穫までに数年かかる作物のため、被害は長期に及ぶ。

  3. 価格と需要の不安定性:こんにゃく製品市場の成熟化による需要頭打ち。

1方で、群馬県内ではドローンやセンサーによる病害予測、耐病性品種の育成、輪作体系の確立といった技術革新が進められています。また、農業法人の設立や新規就農者支援によって、省力化・効率化による持続可能な栽培体制の構築が模索されています。

将来的には、現在の縮小傾向が安定期に入るとともに、持続可能な生産体系が構築されることで、栽培面積の底打ちとわずかな回復も期待されます。

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