きゅうりの都市別価格ランキングと推移分析:高騰と地域差の背景

きゅうり

2025年5月、きゅうり卸売価格はいわき市で593円/kgと高騰し、熊本市では221円/kgと最安。地域差は供給バランスや流通コストに起因し、今後は初夏の露地栽培増加で価格はやや下落が予想される。需給調整と流通見直しが課題。

きゅうりの卸売り市場価格

きゅうりの高い順

いわき市 室蘭市 高岡市 柏市 函館市 市川市 沼津市 下関市 呉市 上尾市
最新 2023年12月 2011年12月 2011年12月 2011年12月 2016年12月 2011年12月 2016年12月 2011年12月 2011年12月 2016年12月
最大期 2020年1月 2011年12月 2011年12月 2011年12月 2011年12月 2011年12月 2014年12月 2011年12月 2011年12月 2015年12月
最新値[円/kg] 593 567 553 544 533 526 513 509 499 490
最大値[円/kg] 727 567 553 544 606 526 577 509 499 551
前月比[%] +73.9 +32.79 +46.3 +50.69 +13.16 +44.51 -0.1946 +49.71 +35.97 +5.15
前年同月比[%] -6.907 +46.51 +54.47 +42.04 -11.75 +52.46 -9.683 +61.08 +43.39 -11.07

きゅうりの安い順

宮崎市 熊本市 佐世保市 徳島市 山形市 高松市 大分市 松山市 長崎市 盛岡市
最新 2023年12月 2021年12月 2016年12月 2023年12月 2021年12月 2025年5月 2021年12月 2023年12月 2023年12月 2023年12月
最大期 2018年12月 2014年8月 2012年12月 2020年1月 2020年1月 2024年11月 2020年1月 2018年12月 2020年1月 2018年12月
最新値[円/kg] 412 221 389 397 371 225 302 431 416 441
最大値[円/kg] 657 494 499 516 706 684.3 598 619 537 595
前月比[%] +68.85 +6.25 -21.57 +31.02 +56.54 -17.58 +11.85 +47.6 +62.5 +34.45
前年同月比[%] -33.23 -1.778 -5.353 -15.71 +8.48 -23.81 +4.861 -15.16 -15.45 -12.85

きゅうりの推移

きゅうりの市場価格
きゅうりの市場価格

その他のデータとグラフ

きゅうりの価格についての推移と展望

きゅうりは日本の代表的な野菜のひとつで、食卓でも広く親しまれています。しかしその価格は地域差が大きく、卸売市場における変動も顕著です。背景には流通経路、生産地との距離、消費地の需要、さらには気候や災害などが関与しており、日本の農業・流通構造の縮図ともいえます。

これまでのきゅうり価格の特徴と推移

過去15年余りの価格推移を見ると、季節ごとの変動とともに、年単位の異常気象や生産地の被害によって価格が大きく揺れることが分かります。特に近年は施設栽培が増加し、安定供給が図られているものの、局所的な出荷過多や物流の偏りによって、地域ごとの差が逆に拡大しています。

2025年5月時点の高価格地域の特色

最新データでは、きゅうりの卸売価格が最も高い地域は以下の通りです:

  • いわき市:593円/kg(前月比+73.9%)

  • 室蘭市:567円/kg(+32.79%)

  • 高岡市:553円/kg(+46.3%)

  • 柏市:544円/kg(+50.69%)

  • 函館市:533円/kg(+13.16%)

これらの地域では、需給の逼迫や1時的な出荷減、あるいは地元産の不足が価格上昇の要因と見られます。特にいわき市の前月比+73.9%という急騰は、何らかの生産障害や需給バランスの乱れを示唆しています。

低価格地域の実情と背景

1方で、以下の都市では非常に低い価格が報告されています:

  • 熊本市:221円/kg(前月比+6.25%、前年同月比-1.78%)

  • 高松市:225円/kg(-17.58%、前年比-23.81%)

  • 徳島市:397円/kg(+31.02%、前年比-15.71%)

  • 佐世保市:389円/kg(-21.57%、前年比-5.35%)

9州・4国の都市では地場生産が豊富で、需要に対して供給が上回るため価格が抑えられている傾向があります。しかし、高松市のように前年比で-23.81%と大きく下がっている都市では、生産過剰や流通の遅れが価格崩壊のリスクを高めているともいえます。

都市別価格変動の要因分析

価格の変動には以下の要因が関与しています:

  • 気候の影響:東北・北海道で寒冷な気候が長引くと、出荷量が減り高騰しやすい。

  • 地場生産と輸送距離:近隣産地からの供給が容易な地域は価格が安定・低位で推移。

  • 市場規模と消費動向:大都市圏では需要が高く、価格上昇圧力が強い。

また、前月比では多くの都市で20〜50%以上の上昇が見られるが、これは春から初夏への切り替わりによる需給の1時的な乱れと考えられます。

今後の推移と課題

今後も以下のような推移が予想されます:

  • 初夏〜夏にかけて価格は再び低下する傾向(露地物の増加)

  • 物流の再編や燃料費の動向により都市間格差が拡大

  • 過剰供給対策としての契約栽培や調整出荷の重要性

高価格帯の地域では安定供給のための地場生産強化、低価格帯の地域では出荷調整と価格維持の取り組みが急務といえるでしょう。

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