2025年4月のきゅうり価格動向|都市別比較と今後の見通し

きゅうり



日本のきゅうり価格は季節変動に加え、地域ごとの気候や流通条件に大きく左右されます。2025年4月時点では平均293.8円/kgと、前月比・前年比ともに大幅な下落傾向が目立ちます。特に西日本・九州地域で価格が安く、北日本や都市圏で高値傾向。燃料費・人手不足の影響も背景にあり、今後は供給の安定性や気候リスクが価格動向の鍵を握ります。

きゅうりの卸売り市場価格

きゅうりの高い順

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 札幌市 仙台市 東京都 名古屋市 横浜市 主要市場 金沢市 広島市 大阪市 神戸市
最新値[円/kg] 293.8 335.7 333 321 318.7 317.7 303.7 303 288.3 287.3 286.3
前月比[%] -19.79 -22.66 -16.89 -18.25 -13.56 -17.63 -19.02 -18.77 -23.72 -21.85 -24.65
前年同月比[%] -23.65 -26.12 -7.5 -16.77 -13.8 -14.45 -20.3 -19.49 -25.17 -23.85 -28.54

きゅうりの安い順

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 北九州市 福岡市 沖縄県 高松市 京都市 大阪市 広島市 金沢市 主要市場 横浜市
最新値[円/kg] 294.4 236.7 255 265.7 273 282.7 287.3 288.3 303 303.7 317.7
前月比[%] -19.43 -23.49 -21.86 -4.204 -22.07 -24.96 -21.85 -23.72 -18.77 -19.02 -17.63
前年同月比[%] -23.29 -38.42 -28.3 -34.19 -28.28 -26.96 -23.85 -25.17 -19.49 -20.3 -14.45

 

きゅうりの推移

きゅうりの市場価格
きゅうりの市場価格

最新の価格データ

最新データ

 

その他のデータとグラフ

 

きゅうりの価格についての推移と展望

日本のきゅうり市場は、例年4月〜7月に価格が下がり、冬季にかけて高騰する季節性があります。これは露地物の増加とハウス栽培の減少による供給変動によるものです。今回のデータでも、2025年4月は全国平均293.8円/kgで、前月比-19.79%、前年比-20.3%と大幅な下落となっており、典型的な春の価格低下の傾向を示しています。


地域別の価格の特色と違い

高価格帯の都市

  • 札幌市:335.7円/kg(前年比-26.12%)

  • 仙台市:333円/kg(前年比-7.5%)

  • 東京都:321円/kg(前年比-16.77%)

寒冷地域では地元産の出荷が遅れ、流通コストも高いため、他地域より価格が高めに維持されています。

中価格帯の都市

  • 名古屋市:318.7円/kg

  • 横浜市:317.7円/kg

  • 金沢市:303円/kg

温暖な地域に近く、流通の中心でもあるため、価格は安定しつつもやや高め。

低価格帯の都市

  • 北九州市:236.7円/kg(前年比-38.42%)

  • 福岡市:255円/kg

  • 沖縄県:265.7円/kg

九州や沖縄では地場産が豊富で早出しも多く、供給過多になりがちです。価格が全国で最も安く、しかも前年比では30〜40%の大幅な下落が見られます。


最近の問題点

供給過多による価格暴落

特に福岡・北九州・沖縄では前年比で30%超の下落が続き、生産コスト割れが懸念されています。

燃料・資材費高騰の中での価格低迷

ビニールハウス用の重油や資材価格が上がる一方、卸価格は下落しており、生産者の採算を圧迫しています。

労働力不足による生産調整

高齢化と人手不足により、生産面積の縮小が一部地域で始まっており、将来的な供給制約の可能性もあります。


今後の価格動向と予想

短期的展望(2025年夏〜秋)

露地きゅうりの増加で一時的な供給過多が続き、夏まで価格は低水準を維持する可能性が高いです。ただし、気候異変(豪雨・干ばつ)による供給不安が出た場合は、価格が反転上昇するリスクもあります。

中長期的展望(2025年後半〜2026年)

  • 生産者減少と高コスト構造の維持が価格上昇要因

  • 気候変動リスクの高まりが価格変動幅を大きくする

  • 安定供給のために中堅都市での契約栽培が進む可能性あり

都市別では、関西〜九州の安値水準は今後も維持されそうですが、生産者の離脱が進めば、価格の底上げもあり得ます。


まとめと政策的な視点

  • 現在のきゅうり価格の大幅下落は、季節要因に加えて供給過剰や市場の吸収力低下も影響しています。

  • 今後は「減反ならぬ減栽培」の流れが出てくる可能性があり、特に低価格地域の産地では生産継続に向けた支援が必要です。

  • 消費拡大のためには、産地リレーの強化や加工用ニーズとのマッチングなど、販売先の多様化もカギとなるでしょう。

 

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