きく・切り花の全国平均価格は2025年3月時点で270.9円となっており、都市によって大きな差がある。長野や松山では高値傾向が続く一方、和歌山や金沢では安値が目立つ。価格上昇の背景には気候変動、生産地の人手不足、流通コストの増加などがあり、地域別の需要と供給バランスも影響している。特に高知や秋田のように前年から10%以上の価格上昇を見せる都市もある。
エンタメの都市別小売価格
きく・切り花価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長野 | 松山 | 札幌 | 富山 | 那覇 | 横浜 | 前橋 | 秋田 | 高知 | 盛岡 |
最新値[円] | 270.9 | 355 | 337 | 334 | 333 | 330 | 317 | 312 | 310 | 308 | 307 |
平均比[%] | 100 | 131.1 | 124.4 | 123.3 | 122.9 | 121.8 | 117 | 115.2 | 114.4 | 113.7 | 113.3 |
前年月同比[%] | 4.575 | 6.287 | 3.374 | -0.299 | 9.901 | 9.272 | 3.934 | 4 | 11.91 | 15.36 | 4.778 |
きく・切り花価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 和歌山 | 金沢 | 岐阜 | 長崎 | 鹿児島 | 奈良 | 宇都宮 | 徳島 | 名古屋 | 熊本 |
最新値[円] | 270.9 | 183 | 196 | 198 | 201 | 202 | 207 | 218 | 220 | 232 | 233 |
平均比[%] | 100 | 67.56 | 72.36 | 73.1 | 74.2 | 74.57 | 76.42 | 80.48 | 81.22 | 85.65 | 86.02 |
前年月同比[%] | 4.575 | 2.235 | -7.981 | 2.591 | 4.145 | -8.182 | -2.358 | -11.38 | 12.82 | 1.31 | 0 |
これまでの園芸品の推移


詳細なデータとグラフ
きく・切り花の現状と今後
日本における「きく・切り花」は、仏花や冠婚葬祭の定番として根強い需要があります。本章では、2025年3月時点におけるきく・切り花1本あたりの小売価格の動向、地域別の特徴、価格変動の要因について解説します。
全国平均と価格帯の分布
2025年3月時点の全国平均価格は270.9円でした。過去10年以上にわたり、平均価格はおおむね安定していましたが、近年の物価上昇とともに、ゆるやかに上昇傾向を示しています。都市ごとの価格を見てみると、最も高い長野で355円、最も安い和歌山で183円と、約2倍の開きがあります。
価格の高い都市の特徴
高価格帯に位置する都市としては、長野(355円)、松山(337円)、札幌(334円)、富山(333円)などが挙げられます。これらの都市では、
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生花店や仏花文化の需要が高い
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気温差により生産コストが上がる
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地元生産が少なく、他地域からの輸送コストがかかるといった要因が影響しています。特に高知は前年比15.36%の上昇、秋田も11.91%の上昇を記録しており、急激な物価変動が見られます。
価格の低い都市の特徴
一方で、価格が安価な都市としては、和歌山(183円)、金沢(196円)、岐阜(198円)、長崎(201円)などがあります。これらの都市では、
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地元での生産が盛んで輸送コストが抑えられている
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仏花以外の用途が少なく、需要が限定的
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価格競争が激しいといった要因が背景にあります。金沢や鹿児島などでは、前年と比較して7〜8%程度の価格下落も確認されており、価格維持に課題を抱えていると見られます。
価格変動の主な要因
きく・切り花の価格は以下のような要因で変動しています:
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気候の変動:異常気象により生産時期や品質に影響
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人手不足と高齢化:農業従事者の減少が供給を制限
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物流コストの上昇:燃料費や配送人件費の増加
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需要構造の変化:若年層の花離れ、仏花文化の変容
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国産 vs 輸入品の価格差:国産へのこだわりが価格を押し上げる場面も
今後の展望と課題
今後も高齢化と生産者減少により、供給の維持は課題となります。加えて、季節性の強い商品であるため、需給のバランスを見誤ると価格変動が大きくなりやすい傾向もあります。消費者としては、価格上昇に備えた購入行動の見直し、生産者側としてはコスト削減と流通改革が求められるでしょう。
まとめ
きく・切り花の価格は、都市や地域特性、社会的背景によって大きく左右されます。価格の高騰が見られる地域もあれば、逆に価格競争の激化に苦しむ地域も存在します。今後もこうした価格動向を注視しつつ、消費・生産両面での持続可能な取り組みが重要となります。
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