2025年4月時点で、きく・切り花の平均小売価格は252.5円に上昇。長野や富山では360円前後と高い一方、岐阜や金沢などでは170円台にとどまります。生産者の高齢化や輸送費、気候変動などが価格変動に影響し、今後は持続可能な生産と新たな需要開拓が重要です。
エンタメの都市別小売価格
きく・切り花価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長野 | 富山 | 松山 | 那覇 | 札幌 | 盛岡 | 横浜 | 大分 | 前橋 | 東京都区部 |
最新値[円] | 252.5 | 360 | 349 | 337 | 330 | 327 | 307 | 304 | 289 | 286 | 282 |
平均比[%] | 100 | 142.6 | 138.2 | 133.4 | 130.7 | 129.5 | 121.6 | 120.4 | 114.4 | 113.3 | 111.7 |
前年月同比[%] | +4.16 | +7.784 | +13.31 | +1.201 | +20 | -1.506 | +4.778 | +1.672 | +8.24 | +4 | +4.444 |
きく・切り花価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 岐阜 | 徳島 | 金沢 | 和歌山 | 長崎 | 鹿児島 | 奈良 | 宇都宮 | 佐賀 | 名古屋 |
最新値[円] | 252.5 | 169 | 173 | 179 | 183 | 183 | 183 | 193 | 202 | 211 | 211 |
平均比[%] | 100 | 66.92 | 68.51 | 70.88 | 72.47 | 72.47 | 72.47 | 76.43 | 79.99 | 83.55 | 83.55 |
前年月同比[%] | +4.16 | -7.143 | -4.787 | +2.235 | +24.49 | -7.107 | +4.891 | +1 | -1.402 |
これまでの園芸品の推移


詳細なデータとグラフ
きく・切り花の現状と今後
2025年4月時点で、日本全国におけるきく・切り花1本の平均小売価格は252.5円となっています。データの起点となる2010年頃には200円前後で推移していたことから、この15年間でゆるやかな上昇傾向が見られます。
菊は日本文化に深く根付いた花であり、特に仏事や供花として安定した需要があるものの、流通の合理化、生産者の高齢化、資材費の高騰が価格上昇の1因となっています。
高価格地域の特徴と背景
以下の都市が、1本あたりの価格が高い上位10位です。
都市名 | 価格(円) | 前年同期比(%) |
---|---|---|
長野 | 360 | +7.784 |
富山 | 349 | +13.31 |
松山 | 337 | +1.201 |
那覇 | 330 | +20.00 |
札幌 | 327 | -1.506 |
盛岡 | 307 | +4.778 |
横浜 | 304 | +1.672 |
大分 | 289 | +8.240 |
前橋 | 286 | +4.000 |
東京都区部 | 282 | +4.444 |
高価格地域の主な要因
-
物流コストの高さ:那覇、札幌などは本州の生産地からの輸送費が高く、価格が上乗せされやすい。
-
小売価格の構造:都市部では需要は多いが、人件費や店舗維持費が高く、結果的に販売価格が上昇。
-
供給制限による価格高騰:富山や長野は地場の生産量が限られており、安定供給が難しくなっているケースも。
低価格地域の傾向と理由
1方、きく・切り花の価格が安い都市は以下の通りです。
都市名 | 価格(円) | 前年同期比(%) |
---|---|---|
岐阜 | 169 | -7.143 |
徳島 | 173 | — |
金沢 | 179 | -4.787 |
和歌山 | 183 | +2.235 |
長崎 | 183 | +24.49 |
鹿児島 | 183 | -7.107 |
奈良 | 193 | +4.891 |
宇都宮 | 202 | +1.000 |
佐賀 | 211 | — |
名古屋 | 211 | -1.402 |
低価格地域の特徴
-
地産地消が可能な地域:岐阜や徳島などは、近隣にきくの生産地があるため、輸送費がかからず価格が抑えられている。
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競争が激しい:都市規模が中程度で、地元系スーパーや市場での価格競争が働いている。
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仏花需要の安定:特定の需要が多く安定的に売れるため、大量仕入れで単価を抑えられる構造になっている。
近年の価格変動の要因分析
生産者の減少と高齢化
きくの主要産地では、生産者の高齢化が進んでおり、後継者不足も深刻。出荷量が減る1方、需要は安定しているため、価格が上昇しやすい状況にあります。
資材・エネルギー価格の高騰
燃油価格や肥料・農薬などのコスト上昇が価格に直接影響しています。特に温室栽培が多い菊にとって、冬場の暖房費は無視できない負担です。
気候変動による影響
台風や猛暑などの異常気象により、品質が安定せず出荷遅れや減少が起きることで、相場が乱高下する傾向も。
消費構造の変化
若者世代では仏壇を持たない家庭も増え、菊の需要はやや縮小気味。1方で、仏事以外の用途(アレンジメントやインテリア)としての再注目も見られます。
今後の課題と展望
持続可能な生産体制の構築
菊栽培を継承できる若手農家への支援や、労働の省力化技術の導入が必要です。
新しい需要の掘り起こし
「仏花」のイメージから脱却し、アレンジメントや季節装花としての用途を拡大することが期待されます。
価格格差の是正と流通の最適化
特に地方においては、適正価格での流通と販売の仕組みを整えることで、価格の安定と生産者の利益の両立が可能になります。
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