2025年5月のかつお100g平均価格は244.4円。高知(309円)や山形(296円)など、鮮度志向や地元消費が強い地域で高値が目立つ。価格上昇の背景には、漁獲量減や燃油高、品質志向の消費トレンドがある。今後も地域間格差は維持される見通し。
都市別のカツオ100gの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 248.6 | +2.735 | |
1 | 高知 | 349 | +37.4 |
2 | 山口 | 315 | +5.705 |
3 | 甲府 | 300 | |
4 | 山形 | 298 | +4.196 |
5 | 高松 | 289 | +6.642 |
6 | 福島 | 287 | +1.413 |
7 | 津 | 275 | +10 |
8 | さいたま | 264 | +3.125 |
9 | 松山 | 263 | +11.91 |
10 | 富山 | 263 | +3.953 |
11 | 東京都区部 | 262 | +6.073 |
12 | 鹿児島 | 261 | +24.88 |
13 | 熊本 | 261 | +3.571 |
14 | 名古屋 | 261 | -0.76 |
15 | 静岡 | 258 | +4.453 |
16 | 金沢 | 257 | +7.531 |
17 | 福岡 | 257 | -0.772 |
18 | 岐阜 | 257 | +10.78 |
19 | 宮崎 | 255 | +0.791 |
20 | 横浜 | 253 | +8.12 |
21 | 長崎 | 252 | +5.439 |
22 | 岡山 | 252 | -2.326 |
23 | 大分 | 252 | +16.13 |
24 | 広島 | 251 | +8.658 |
25 | 青森 | 249 | -3.488 |
26 | 仙台 | 249 | |
27 | 盛岡 | 242 | -9.701 |
28 | 福井 | 241 | -6.589 |
29 | 神戸 | 241 | +2.553 |
30 | 大阪 | 238 | +1.709 |
31 | 京都 | 238 | +11.74 |
32 | 奈良 | 233 | +6.393 |
33 | 千葉 | 233 | +0.866 |
34 | 前橋 | 233 | +4.018 |
35 | 松江 | 231 | -2.941 |
36 | 水戸 | 229 | +2.232 |
37 | 新潟 | 227 | -3.814 |
38 | 札幌 | 222 | -0.448 |
39 | 鳥取 | 221 | -11.24 |
40 | 長野 | 218 | +4.808 |
41 | 佐賀 | 216 | +3.349 |
42 | 那覇 | 213 | |
43 | 徳島 | 213 | -2.294 |
44 | 宇都宮 | 211 | -28.47 |
45 | 大津 | 209 | -13.99 |
46 | 和歌山 | 196 | -10.09 |
47 | 秋田 | 189 | -6.436 |

詳細なデータとグラフ
カツオの小売価格の相場と推移
2025年5月時点でのかつお100gあたりの全国平均価格は244.4円です。都市別では、高知(309円)、山形(296円)、山口(289円)、高松・大分(287円)が上位に並び、300円近い価格帯が多くの地域で確認されます。
特に、高知は「鰹の本場」として知られながらも、価格が高いという点が注目されます。これは、地元需要が高く高品質な商品が流通しているためと考えられます。
都市別の価格傾向と地域的特色
高知(309円/前年比+14.02%)
かつおの名産地である高知は、藁焼きたたき用の高品質かつおの需要が高く、地元消費を中心に「ブランド品」としての価値が価格に反映されています。
山形(296円/+7.636%)
内陸部でありながら、鮮魚の輸送・販売体制が整っており、刺身需要の高さから価格が上昇傾向。流通コストも加わり高値が続いています。
山口・高松・大分(289〜287円/+13〜21%)
これらの都市では、地元での鮮魚消費文化が強く、鮮度重視のため価格が高めに。とくに山口の+21.43%の上昇は顕著で、地元スーパーでの高品質志向を反映。
鹿児島(285円/+27.23%)
南9州では、水揚げ後すぐ加工される冷凍流通が主だが、昨今はチルド需要が増加し、それが価格に転嫁されている可能性があります。
福島(274円/前年比-6.803%)
唯1のマイナス成長。物流の安定、在庫調整、安売り販促の影響が考えられ、競争の激しい小売環境が背景にありそうです。
価格推移と高騰の背景
全体平均の前年同月比は+0.994%と微増であり、食肉類と比べて上昇率は控えめですが、都市によっては10〜20%を超える急上昇も見られます。特に2023年以降は以下の要因が大きく関わっています:
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漁獲量の減少:かつおの資源量が減少傾向にあることが影響
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原油高による燃油コストの上昇:漁業者の負担増加により価格が転嫁
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円安による輸入冷凍かつおの価格上昇
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チルド需要や健康志向の高まりによる「生食用」高価格帯商品の伸長
かつおの生産と流通の特徴
かつおは主に以下の2つの形態で市場に流通しています。
1本釣りや巻き網による漁獲(国内産)
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高知県、宮崎県、鹿児島県などの太平洋沿岸地域で水揚げされる
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主に「初鰹(春)」と「戻り鰹(秋)」があり、季節性が強い
冷凍輸入かつお(インドネシア・台湾など)
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加工用(鰹節)やスーパー用の刺身にも利用
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為替や国際需給に影響を受けやすい
高知を中心とした国内漁獲の鮮度・品質の高さは価格に大きく影響を与えており、都市部では冷凍解凍流通品よりも高品質チルド品を扱う傾向が強まり、価格格差が生まれています。
今後の展望と地域格差の見通し
今後、かつおの価格は以下の点に左右される可能性があります:
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資源管理の厳格化(国際漁業規制)
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燃油コストの水準
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国内漁業の高齢化と後継者不足
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チルド志向とグルメ需要の拡大
これにより、地場産品を多く流通させる地域では引き続き高値が継続し、都市間の価格格差は緩やかに広がっていく可能性があります。
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