うなぎかば焼き価格が急騰、平均1478円に上昇した背景と地域差

惣菜・外食



日本のうなぎかば焼き100gの平均小売価格は2025年3月時点で1478円と高値を維持。名古屋や高松では特に高く、熊本など一部地域では安価だが、前年からの増加率は地方を中心に80%以上と急騰している。価格高騰の背景には、資源減少や養殖コスト増、贈答需要の回復などがある。今後も高値安定が見込まれ、持続可能な消費や代替品の活用が課題となっている。

惣菜・外食の都市別小売価格

うなぎかば焼きの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 名古屋 高松 鳥取 大分 水戸 山形 札幌 さいたま 長崎 横浜
最新値[円] 1478 1891 1826 1775 1759 1712 1709 1706 1699 1696 1689
平均比[%] 100 128 123.6 120.1 119 115.9 115.7 115.5 115 114.8 114.3
前年月同比[%] -0.346 6.716 9.604 20.67 0 14.21 -7.871 8.801 4.618 4.049 10.32

うなぎかば焼きの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 熊本 山口 宮崎 長野 佐賀 岐阜 大津 金沢 和歌山 仙台
最新値[円] 1478 646 1177 1186 1190 1211 1244 1245 1245 1253 1274
平均比[%] 100 43.72 79.65 80.26 80.53 81.95 84.19 84.25 84.25 84.8 86.22
前年月同比[%] -0.346 -49.77 -11.1 -1.084 2.41 1.765 -17.07 -16.05 0.81 -6.283 -25.41

 

これまでの惣菜・魚等の推移

うなぎかば焼きの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

うなぎかば焼きの現状と今後

うなぎのかば焼きは、土用の丑の日や贈答品としても人気が高く、日本の伝統的な食文化を象徴する高級食材です。近年では一般家庭での購入も珍しくありませんが、その価格は年々上昇を続けており、消費者にとっては“贅沢品”としての位置づけが強まっています。


全国平均と最新の価格水準

2025年3月時点でのうなぎかば焼き100gの全国平均価格は1478円。この価格帯は、他の魚介類の加工品と比べても群を抜いて高く、食品全体の中でも特に高価な部類に入ります。


地域別価格の傾向

高価格地域の特徴

  • 名古屋(1891円)高松(1826円)、鳥取(1775円)などが上位に並びます。

  • 名古屋は「ひつまぶし」に代表されるうなぎ文化の中心地であり、高品質な地元産うなぎの流通が価格を押し上げていると見られます。

  • 鳥取や大分など、うなぎの地産地消文化がある地方都市も高価格帯に。

低価格地域の特徴

  • 熊本(646円)が最安値で、他にも山口(1177円)、宮崎(1186円)など西日本を中心に低価格帯が見られます。

  • 熊本のように極端に安価な地域は、ごく限られた時期の特売や規格外品が含まれる可能性もあり、例外的と考えられます。


年間の価格上昇率と地域別の違い

価格の上昇傾向は全国的に見られますが、特に目立つのが低価格地域での高い増加率です。たとえば、

  • 熊本:43.72%

  • 山口〜仙台:70〜86%

という大幅な上昇が観察されており、価格の「下限」が引き上げられている状況です。一方で、すでに高価格だった都市では上昇率が比較的抑えられている傾向にあります(名古屋:6.7%、さいたま:4.6%など)。


価格高騰の主な要因

うなぎ資源の減少と国際規制の強化

  • ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されており、稚魚(シラスウナギ)の漁獲制限や輸出入規制が厳しくなっています。

  • 養殖ウナギの原料である稚魚の価格が高騰しているため、養殖品の価格も上昇。

養殖・加工コストの増加

  • エサ代、電気代、労働力の確保に関わるコストが増加しており、販売価格に転嫁されています。

インバウンド需要や贈答用市場の回復

  • 観光地や百貨店などでの高級うなぎの需要が戻ってきており、プレミアム価格が一般市場にも波及。


今後の見通しと消費者への影響

今後もうなぎかば焼きの価格が下がる見込みは薄く、平均価格は1,500円前後で高止まりする可能性が高いです。消費者は「日常食」から「ハレの日の料理」へと位置づけを変える必要が出てきています。

また、スーパーやコンビニでは量を減らして価格を据え置く「実質値上げ」の形態も広まりつつあります。


終わりに:うなぎ文化の持続可能性と選択肢

価格の高騰は単なる家計への影響だけでなく、日本のうなぎ文化そのものの持続性にも関わります。今後は輸入うなぎや代替品の活用、養殖技術の革新など、持続可能な消費への移行が求められるでしょう。

 

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