日本のうどん1杯の平均小売価格は2025年3月時点で672.4円に上昇しており、府中や八王子など都市部では900円近い価格となっています。一方、香川・高松や宮崎などでは500円台の地域も存在します。小麦価格の高騰、人件費やエネルギーコストの上昇が価格上昇の要因です。特に2023年以降、値上げの動きが顕著で、地域によって価格差が大きくなっています。今後も高値傾向が続くと見られ、外食産業の対応が問われています。
惣菜・外食の都市別小売価格
うどんの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 府中 | 八王子 | 山形 | 伊丹 | 秋田 | 長野 | 横浜 | 富士 | 豊橋 | 新潟 |
最新値[円] | 672.4 | 922 | 897 | 867 | 865 | 860 | 840 | 812 | 793 | 787 | 777 |
平均比[%] | 100 | 137.1 | 133.4 | 128.9 | 128.7 | 127.9 | 124.9 | 120.8 | 117.9 | 117.1 | 115.6 |
前年月同比[%] | 3.717 | 1.878 | 2.749 | 8.375 | 2.61 | 0 | 0 | 3.704 | 4.756 | 0 | 3.6 |
うどんの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 八戸 | 山口 | 西宮 | 佐賀 | 小山 | 宮崎 | 宇部 | 今治 | 高松 | 枚方 |
最新値[円] | 672.4 | 460 | 520 | 527 | 533 | 537 | 540 | 547 | 553 | 553 | 557 |
平均比[%] | 100 | 68.42 | 77.34 | 78.38 | 79.27 | 79.87 | 80.31 | 81.36 | 82.25 | 82.25 | 82.84 |
前年月同比[%] | 3.717 | 3.837 | 0 | 3.945 | 7.028 | -4.618 | 3.25 | 6.628 | 3.752 | 9.289 | 3.148 |
これまでの外食・他の推移


詳細なデータとグラフ
うどんの現状と今後
日本人にとって身近な外食メニューのひとつである「うどん」。手軽な価格と親しみやすさから、多くの人々に日常的に食されています。しかし、近年の経済状況の変化や物価高騰の影響を受け、うどん1杯の価格も着実に上昇しています。ここでは、2016年から2025年3月までのデータを基に、日本におけるうどんの価格推移、都市別の傾向、そして価格高騰の要因について見ていきます。
うどん1杯の全国平均と価格推移
2025年3月時点におけるうどん1杯の全国平均価格は672.4円です。2016年には500円台だった店舗も多く存在していましたが、近年のさまざまな要因によって平均価格は急上昇しています。特に2023年以降、原材料費や人件費の高騰、エネルギーコストの上昇が加速し、価格への転嫁が進みました。
価格が高い地域の特徴
うどんの価格が高い地域トップ10は以下の通りです。
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府中(922円)
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八王子(897円)
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山形(867円)
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伊丹(865円)
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秋田(860円)
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長野(840円)
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横浜(812円)
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富士(793円)
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豊橋(787円)
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新潟(777円)
これらの地域では、外食産業の競争が激しくないことや、輸送コストの高さ、地域での人件費の高さなどが価格の上昇に影響していると考えられます。特に府中や八王子などの東京都郊外では、人件費に加えて物価全体が高いため、うどんの価格も全国平均を大きく上回っています。
価格が低い地域の特徴
一方で、価格が最も低い地域は以下の通りです。
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八戸(460円)
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山口(520円)
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西宮(527円)
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佐賀(533円)
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小山(537円)
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宮崎(540円)
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宇部(547円)
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今治(553円)
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高松(553円)
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枚方(557円)
特に香川県高松市は「うどん県」として知られ、地元の食文化や競争の激しさから安価で提供する店が多く存在しています。また、関西地方では昔からうどん文化が根付いており、材料調達や流通コストが抑えられていることも価格の安さにつながっています。
急激な価格上昇の背景
価格上昇の背景には以下のような要因が複合的に絡んでいます。
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小麦粉価格の高騰:ロシア・ウクライナ情勢や円安の影響で輸入小麦価格が上昇。
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エネルギーコストの上昇:ガスや電気代の上昇が調理コストに影響。
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人件費の増加:最低賃金の引き上げにより、飲食業全体で人件費が増大。
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物流費の高騰:配送コストの上昇が材料費に転嫁。
さらに、値上げを抑えてきた多くのチェーン店が限界を迎え、2023年以降に一斉値上げを実施したことも、平均価格を押し上げる一因となっています。
今後の展望と消費者への影響
今後もうどん価格の高止まりは続くと予想されます。特に外食チェーンは、品質維持と価格転嫁のバランスに苦慮しており、メニュー構成やセット価格の調整が今後の主な対応策となるでしょう。一方で、消費者の節約志向も強まっており、低価格帯の商品やテイクアウト需要の増加が予想されます。
おわりに
うどんは日本の食卓に欠かせない存在であり続ける一方、その価格ももはや「庶民の味方」とは言い切れないほど上昇しています。物価全体が上がる中で、外食としてのうどんの価値も見直されつつあり、価格以上の満足感を提供できる工夫が、今後の業界に求められています。
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