いなりずしの価格が全国で高騰中|都市別価格と急上昇の背景

弁当



2015年から2025年にかけて、日本のいなりずし1個の平均価格は71.11円に上昇し、特に津市や大津市では90円近くと高水準にあります。一方、福井や鹿児島などの地域では50円台にとどまるものの、前年比で70~90%近い急激な上昇が確認されています。原材料費や人件費、包装資材の高騰、物流コストの上昇が背景にあり、今後も価格上昇が続く可能性が高いと考えられます。

惣菜・外食の都市別小売価格

いなりずしの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 大津 青森 京都 東京都区部 横浜 松山 千葉 金沢 秋田
最新値[円] 71.11 92 88 84 83 82 81 81 80 79 79
平均比[%] 100 129.4 123.8 118.1 116.7 115.3 113.9 113.9 112.5 111.1 111.1
前年月同比[%] 11.4 37.31 18.92 7.692 13.7 10.81 12.5 14.08 6.667 43.64 3.947

いなりずしの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 福井 鹿児島 奈良 岐阜 宮崎 鳥取 福岡 和歌山 大分 広島
最新値[円] 71.11 49 51 54 54 56 59 60 61 64 64
平均比[%] 100 68.91 71.72 75.94 75.94 78.76 82.97 84.38 85.79 90.01 90.01
前年月同比[%] 11.4 -27.94 15.91 3.846 5.882 7.692 20.41 1.695 12.96 4.918 14.29

 

これまでの弁当の推移

いなりずしの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

いなりずしの現状と今後

いなりずしは、日本の伝統的な軽食の一つであり、甘辛く煮た油揚げに酢飯を詰めたシンプルながらも親しみやすい食品です。コンビニエンスストアやスーパーマーケットで手軽に購入できるため、全国的に需要があります。本稿では、2015年から2025年までのデータをもとに、いなりずしの小売価格の推移、地域ごとの差、そして近年の価格高騰の要因について解説します。


全国平均価格の推移

2025年3月時点でのいなりずし1個の全国平均価格は71.11円です。2015年当初は60円台前半で推移しており、長期的には緩やかに上昇してきましたが、2022年以降に急激な値上げが見られます。特に2024年から2025年にかけての上昇幅が顕著であり、物価全体の高騰と連動していると考えられます。

要因としては以下の点が挙げられます:

  • 油揚げや米、調味料の価格上昇

  • エネルギー費や人件費の高騰

  • 円安による原材料輸入コストの増大

  • 包装資材の値上がりと物流費の上昇


価格の高い都市の特徴

いなりずしの価格が高い都市は以下の通りです:

  1. 津:92円(前年比37.31%増)

  2. 大津:88円(同18.92%増)

  3. 青森:84円(同7.692%増)

  4. 京都:83円(同13.7%増)

  5. 東京都区部:82円(同10.81%増)

  6. 横浜・松山:81円(同12.5%、14.08%増)

  7. 千葉:80円(同6.667%増)

  8. 金沢・秋田:79円(同43.64%、3.947%増)

これらの都市に共通する特徴は、観光地としての需要の高さや、流通コストの増加、または高付加価値商品のラインナップが影響している点です。特に津や金沢などでは、前年比で40%以上の上昇が見られ、地域の事情が大きく影響していることが分かります。


価格の低い都市の特徴

いなりずしの価格が低い都市は以下の通りです:

  1. 福井:49円(前年比68.91%増)

  2. 鹿児島:51円(同71.72%増)

  3. 奈良・岐阜:54円(同75.94%増)

  4. 宮崎:56円(同78.76%増)

  5. 鳥取:59円(同82.97%増)

  6. 福岡:60円(同84.38%増)

  7. 和歌山:61円(同85.79%増)

  8. 大分・広島:64円(同90.01%増)

これらの地域では、価格は低めに抑えられているものの、前年同期比では軒並み70%以上の値上げが見られ、むしろ高価格地域よりも急激な値上がり傾向が強いことが分かります。背景には原材料コストの上昇や物流費の増加が全国的に波及している点が挙げられます。


価格高騰の主な要因

いなりずしの価格高騰の主な要因は以下の通りです:

  • 油揚げの原材料である大豆価格の世界的な上昇

  • 米や調味料の価格上昇によるコスト増

  • 最低賃金の引き上げと人手不足による人件費増加

  • 包装資材の高騰と環境対策コスト

  • 燃料費・運送料の上昇による物流費増大

  • 為替の変動による輸入原料のコスト増

また、コロナ禍を経て需要が回復する一方、供給体制が追い付いていない現状も価格上昇を招いています。


今後の見通しと課題

今後もいなりずしの価格は上昇傾向が続く可能性が高く、小売各社にとっては品質を維持しつつコストを抑える工夫が求められます。たとえば、地元産の食材を使った生産体制の見直しや、簡易包装による資材コスト削減などが考えられます。

また、消費者の節約志向が高まる中で、価格と品質のバランスが今まで以上に重要になり、価格帯の多様化や少量パックの導入といった対応も求められるでしょう。


まとめ

いなりずしの小売価格は、全国的に上昇傾向が強まっており、特に2024年以降の上昇が顕著です。高価格地域では観光需要や高付加価値商品、低価格地域では原材料費の急騰が要因となり、全国的に価格格差と上昇率の両面で注目すべき変化が現れています。今後も価格と品質のバランスを巡る課題に各事業者がどう対応するかが注視されます。

 

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