2025年5月の関東地方の桃価格は都市によって大きな差があり、東京都(3827円/kg)や横浜市(2749円/kg)は依然として高値だが、前年同月比で大幅に下落。一方、千葉市(1000円/kg)や前橋市(749円/kg)では価格上昇が見られる。都心部では高級品中心の市場構成や物流コストが価格変動に影響しており、今後は産地出荷の増加により価格の安定が期待される。
桃の卸売り市場価格
桃の高い順
東京都 | 横浜市 | 千葉市 | 川崎市 | 前橋市 | 船橋市 | 上尾市 | さいたま市 | 宇都宮市 | 松戸市 | |
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最新 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2021年9月 | 2016年10月 | 2016年9月 | 2021年10月 | 2023年10月 | 2021年10月 |
最大期 | 2025年4月 | 2024年11月 | 2012年4月 | 2012年4月 | 2015年4月 | 2012年4月 | 2012年4月 | 2021年4月 | 2012年4月 | 2012年4月 |
最新値[円/kg] | 3827 | 2749 | 1000 | 750 | 749 | 587 | 539 | 516 | 498 | 466 |
最大値[円/kg] | 8639 | 6120 | 4725 | 4725 | 5400 | 3834 | 3506 | 6038 | 3630 | 2918 |
前月比[%] | -55.7 | -55.09 | +41.04 | -75 | +10.31 | +27.06 | +14.68 | -10.1 | -28.24 | -35.9 |
前年同月比[%] | +14.81 | -40.3 | -48.88 | +17.21 | +16.47 | +25.64 | +29.97 | -33.69 | -7.723 |
桃の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
桃の価格についての推移と展望
関東地方は、消費地としての特性が強く、桃の生産よりも各地からの集荷・販売が主です。山梨県、長野県、福島県などの産地からの搬入に依存し、東京都や神奈川県など大都市圏では高品質な贈答用桃の需要も根強いため、価格帯は全国平均よりも高めに形成される傾向にあります。
また、関東内では埼玉県・群馬県・栃木県などで小規模ながら生産があり、地場流通として価格を安定させている地域も存在します。
2025年5月の最新価格状況と変動率
主要都市の最新価格(2025年5月)
都市 | 価格(円/kg) | 前月比 | 前年同月比 |
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東京都 | 3827 | -55.7% | -55.7% |
横浜市 | 2749 | -55.09% | -55.09% |
千葉市 | 1000 | +41.04% | +41.04% |
川崎市 | 750 | -75% | -75% |
前橋市 | 749 | +10.31% | +10.31% |
船橋市 | 587 | +27.06% | +27.06% |
上尾市 | 539 | +14.68% | +14.68% |
さいたま市 | 516 | -10.1% | -10.1% |
宇都宮市 | 498 | -28.24% | -28.24% |
松戸市 | 466 | -35.9% | -35.9% |
分析ポイント:
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東京都・横浜市・川崎市では、前年・前月ともに大幅な下落。これは4月までの贈答用高級品の反動、あるいは卸市場での品薄による価格急騰後の正常化と見られます。
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千葉市・前橋市・船橋市など郊外・地場の都市では比較的価格上昇しており、これは地元産の初物や限定出荷の影響と考えられます。
都市別価格動向の特色
東京都・横浜市
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高級桃が主力として流通するため、価格帯が全国平均より高い。
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2025年5月は反動減が顕著であり、1時的な需給ギャップによる高騰が是正された形。
川崎市・松戸市・宇都宮市
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物流・入荷量の影響を大きく受ける都市。価格下落は供給増によるものと推定される。
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消費者市場としては中〜低価格帯が中心。
前橋市・千葉市・船橋市
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1部地場品を取り扱うことで、比較的安定した価格形成。
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千葉市は周辺地域の初物出荷が市場を押し上げた要因となっている。
最近の課題と背景にある構造問題
価格の極端な変動
都市部での価格変動が激しく、消費者・業者ともに対応が困難。特に百貨店や高級スーパー向けの限定出荷が価格を引き上げ、通常流通価格との乖離が大きくなっている。
地場流通とのバランス
地元の直売所や小規模市場では安定した価格で販売される1方、中央卸売市場では入荷時期や出荷元の事情で大きな価格差が出やすい。これが価格の2極化を生んでいる。
物流コスト・燃料費高騰
運搬コスト上昇が、特に都市圏の価格に上乗せされており、これが消費地での高値要因となっている。
今後の展望と予測
今後2〜3か月の見通し(2025年6〜7月)
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価格の再上昇の可能性:梅雨入りとともに出荷量が1時的に抑えられると予測されるため、価格はやや上昇傾向になる可能性あり。
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産地からの大量出荷期到来:7月には山梨・長野からの本格出荷が始まり、市場が潤沢になることで価格は平均水準(600〜1200円/kg)へと収束する見通し。
中長期的には:
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流通の合理化とロス削減が鍵。特に関東圏では産地との直結販売やオンライン直販が進み、価格安定化が期待される。
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気候変動による供給不安定化が今後の課題。異常気象により作柄に影響が出れば、再び都市圏での高騰が起こり得る。
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