関東地方のみかん価格は都市間で大きな差があり、東京都では2372円/kgと高値で急騰。一方、千葉市などの郊外では200円台と安定。需要の大きさと流通コストの差が要因で、今後は物流効率化や地域ブランド化が価格安定につながると期待されます。
みかんの卸売り市場価格
みかんの高い順
東京都 | 横浜市 | 宇都宮市 | 川崎市 | さいたま市 | 水戸市 | 前橋市 | 上尾市 | 船橋市 | 千葉市 | |
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最新 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2016年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2015年4月 | 2017年4月 | 2020年4月 | 2019年4月 | 2016年4月 | 2016年4月 | 2016年4月 | 2020年4月 |
最新値[円/kg] | 2372 | 2149 | 362 | 294 | 274 | 273 | 265 | 243 | 236 | 225 |
最大値[円/kg] | 2372 | 2149 | 2003 | 2209 | 2124 | 1995 | 2519 | 2604 | 2515 | 2578 |
前月比[%] | +112.4 | +45.89 | +14.56 | +7.299 | +2.239 | +5.814 | +2.713 | -6.897 | -2.479 | +0.4464 |
前年同月比[%] | +12.69 | +14.27 | +22.71 | +10.11 | -0.3636 | +21.88 | +16.23 | +0.4132 | -4.065 | +0.8969 |
みかんの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
みかんの価格についての推移と展望
関東地方は全国的に人口密度が高く、大消費地として位置づけられています。そのため、みかんをはじめとする果物の価格は「需要の大きさ」と「物流効率」が主要な価格決定要因となります。
東京都や横浜市などは高級志向の商品やプレミアムフルーツの取扱いが増え、価格が上昇しやすい1方、内陸部の都市ではスーパーや直売所での地場流通を中心とした価格形成が主流となっており、比較的安定した価格水準を保っています。
2025年5月の最新価格と地域差の現状
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東京都(2372円/kg)・横浜市(2149円/kg)首都圏の消費地として非常に高価格帯に位置。前月比で東京都は+112.4%、横浜市は+45.89%と急騰。輸送費やプレミアム需要、また特需(母の日、贈答など)による価格上昇が要因と考えられます。
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中価格帯(宇都宮市:362円/kg、川崎市:294円/kg)東京都心部に近く、物流や流通チャネルが多様なため価格が安定。特に宇都宮市は+14.56%と堅調な推移を見せています。
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低価格帯(千葉市:225円/kg、上尾市:243円/kgなど)地元密着型の小売りと供給バランスにより、価格は比較的抑えられています。千葉市は前年同月比で+0.4464%とわずかに上昇、上尾市は-6.897%と下落傾向に。
関東の価格動向に見られる特色と構造的要因
都市規模と価格の相関性
東京都のような大都市では、価格が季節要因に敏感に反応し、価格が大きく変動します。1方、郊外都市では小売業者間の競争が激しく、価格は抑制されやすくなっています。
物流距離の差
関東内でも東京湾岸部と内陸部では物流拠点までの距離や経路に違いがあり、それが価格差につながっています。川崎市や横浜市は港湾都市であるため、輸入・国内搬送の中継点として価格変動の幅も大きい傾向です。
最近の問題と今後の期待
現在の問題点
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都市部の価格急騰:需要が安定する1方で、供給量が限定されるとすぐに価格が跳ね上がる脆弱な構造。
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郊外の流通不均衡:地場流通が強いため、市場価格にアクセスせず価格が反映されにくい地域も。
今後の展望
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首都圏の物流DX化:輸送ルートの効率化、AIによる需給予測で価格の暴騰リスクは軽減が期待されます。
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地域ブランディング:千葉県や茨城県などが独自ブランドのみかんを育成すれば、価格の安定・向上につながる可能性も。
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スマート農業の導入拡大:関東でもみかんの露地栽培・施設栽培が増加すれば、供給が安定し価格変動が緩和されることが期待されます。
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