豚カツ定食の平均価格は1,239円で、熊本や新潟、長野など地方都市で特に高額です。長野や高松では前年比10%以上の上昇が見られ、原材料費・人件費・光熱費の高騰が影響しています。一方、松山では価格が下落。今後も地域によって価格の二極化が進む可能性があります。
都市別の豚カツ定食1人前の相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 1239 | +3.925 | |
1 | 熊本 | 1646 | -0.604 |
2 | 新潟 | 1616 | +1.444 |
3 | 長野 | 1577 | +11.61 |
4 | 高松 | 1492 | +18.6 |
5 | 松山 | 1489 | -5.938 |
6 | 福島 | 1486 | +3.482 |
7 | 東京都区部 | 1461 | +7.903 |
8 | 金沢 | 1443 | +1.121 |
9 | 京都 | 1400 | +5.74 |
10 | 富山 | 1377 | +7.16 |
11 | 山口 | 1366 | +9.631 |
12 | 盛岡 | 1347 | +12.25 |
13 | 名古屋 | 1347 | +13.29 |
14 | 那覇 | 1343 | +2.597 |
15 | 福岡 | 1339 | -3.6 |
16 | 福井 | 1323 | -4.13 |
17 | 静岡 | 1300 | +0.541 |
18 | 宮崎 | 1283 | +4.82 |
19 | 大分 | 1271 | +6.182 |
20 | 秋田 | 1249 | +2.883 |
21 | 横浜 | 1245 | +7.513 |
22 | 佐賀 | 1243 | -5.905 |
23 | 和歌山 | 1238 | +6.54 |
24 | 岡山 | 1222 | +7.099 |
25 | 高知 | 1220 | +3.653 |
26 | 山形 | 1217 | -11.17 |
27 | 徳島 | 1207 | +10.73 |
28 | 千葉 | 1189 | -16.79 |
29 | 大阪 | 1173 | +12.14 |
30 | 仙台 | 1163 | +2.018 |
31 | 津 | 1157 | +4.896 |
32 | 岐阜 | 1127 | +4.643 |
33 | 宇都宮 | 1120 | +11.44 |
34 | 長崎 | 1117 | +5.676 |
35 | 広島 | 1108 | +6.538 |
36 | 青森 | 1090 | +5.518 |
37 | 甲府 | 1090 | +3.122 |
38 | 鹿児島 | 1059 | +4.335 |
39 | さいたま | 1058 | +6.332 |
40 | 神戸 | 1038 | +6.462 |
41 | 札幌 | 1035 | +6.591 |
42 | 水戸 | 1027 | +0.983 |
43 | 奈良 | 993 | +10.33 |
44 | 鳥取 | 983 | +11.33 |
45 | 松江 | 983 | +3.474 |
46 | 大津 | 982 | +2.505 |
47 | 前橋 | 980 |

詳細なデータとグラフ
豚カツ定食の小売価格の相場と推移
豚カツ定食は、日本の外食メニューの中でも人気の高い料理であり、価格には豚肉の品質や地域経済、外食産業の構造が強く反映されます。今回のデータ(2016年1月~2025年5月)によると、全国平均は1,239円ですが、都市別には400円以上の価格差が存在し、それぞれの地域に固有の事情が見て取れます。
価格が高い都市の傾向 ― 熊本・新潟・長野の特徴
2025年5月時点で、最も高額なのは熊本市(1,646円)。しかし前年比では-0.604%とわずかな減少が見られます。これは、前年の1時的な価格上昇が落ち着いたか、競争環境の変化、または値下げキャンペーンなどの影響を反映していると考えられます。
新潟市(1,616円)や長野市(1,577円)も高額圏に位置します。これらの地方都市では、地元産の上質な豚肉(例:越後もちぶた、信州ポークなど)を使った定食の需要が高く、素材へのこだわりが価格に表れています。特に長野市は+11.61%の大幅増で、地元産食材の価値向上や観光地化に伴う価格調整が考えられます。
価格上昇が顕著な地域 ― 高松・東京都区部・富山など
高松市(1,492円、+18.6%)は、今回のデータで最も上昇率が高い都市です。この背景には、4国地方における輸送コストや豚肉・パン粉・揚げ油などの価格上昇が複合的に作用している可能性があります。チェーン店ではない地元の定食屋が多く、価格転嫁がストレートに反映されやすい構造も影響しているでしょう。
東京都区部(1,461円、+7.903%)は、地価・人件費の上昇や観光・インバウンドの影響で、飲食価格が全般的に上昇傾向です。特に豚カツ定食は、ランチとしても人気が高いため、安価に提供する業態より品質重視型の店が増えていることも背景にあると考えられます。
富山市(1,377円、+7.16%)も同様に地方都市としてはやや高額で、北陸エリアでの原材料価格の上昇や店舗運営コストが反映されています。
価格が安定・減少している都市 ― 松山・福島・金沢など
松山市(1,489円)は依然として高価格帯ですが、前年比では-5.938%と大幅な下落が見られました。これは、観光需要の落ち着きや店舗間競争による価格調整、あるいはセットメニューの簡略化などが要因と推察されます。
福島市(1,486円、+3.482%)や金沢市(1,443円、+1.121%)は穏やかな上昇を示しており、原材料費の高騰を受けつつも、店舗側が価格転嫁を抑えた結果と考えられます。両都市とも、観光地・地元顧客の両方を対象とした価格設定が安定している特徴があります。
豚カツ定食の価格高騰の背景要因
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豚肉の価格上昇 国内外の飼料価格高騰、豚熱(ASF)リスクによる供給不安、円安などにより、国産・輸入肉問わずコストが増加。
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人件費と光熱費の上昇 最低賃金引き上げやエネルギー価格高騰が、外食業の運営コストに直接影響。特にとんかつは揚げ物で調理コストが高い。
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地元産志向とプレミアム化 地域によっては、ブランド豚を使った高級志向の定食が支持され、価格に反映されている。長野や新潟はその代表例。
今後の展望と地域差の拡大
今後、豚カツ定食の価格は全体的にゆるやかな上昇が見込まれますが、都市によってはさらなる2極化が進む可能性があります。地場食材にこだわる地方都市ではプレミアム化が進む1方、大都市圏ではチェーン展開による価格の抑制も期待されます。食材・燃料・人件費のどの要素をどう価格に反映するかで、都市ごとの戦略が問われる時代に入っています。
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