コシヒカリ米の価格と販売動向|新潟・茨城など産地別に分析

穀物統計

2025年5月のコシヒカリ平均価格は2.8万円/60kgと前年比+76.5%の高騰。新潟(佐渡)や茨城、福島などが高価格帯で、品質とブランド力が影響。販売数量は新潟が最多だが、全国的には減少傾向。価格高騰の背景には気候変動やコスト増があり、生産体制の見直しが求められる。

コシヒカリのランキング

2025年5月
降順昇順
市場価格[万円/60kg]平均比前年同月比[%]
平均2.8100+76.54
1新潟 (コシヒカリ佐渡)4.459159.2
2茨城3.699132.1+109.7
3福島 (コシヒカリ会津)3.478124.2+111
4富山3.108111+91.34
5福島 (コシヒカリ中通り)2.962105.8+91.15
6新潟 (コシヒカリ魚沼)2.73997.81+32.76
7栃木2.72297.21+83.64
8滋賀2.68495.85
9静岡2.66795.24+70.5
10新潟 (コシヒカリ岩船)2.65794.89
11熊本2.47788.43
12千葉2.38585.17+68.01
13広島2.36284.33+63.09
14山口2.30582.3+52.66
15京都2.11775.6+42.19
16山梨1.98570.89+14.44

コシヒカリ別の推移

米価格(コシヒカリ)

コシヒカリの販売数量

2025年5月
降順昇順
市場販売数量[トン]平均比前年同月比[%]
平均11.49100-8.13
1新潟 (コシヒカリ一般)80.4699.8-3.943
2栃木38.6336-4.455
3富山32.5282.9-4.971
4茨城29.7258.5-7.188
5長野26.5230.7+9.504
6千葉23.3202.8-6.426
7新潟 (コシヒカリ魚沼)21.8189.7-5.217
8福島 (コシヒカリ中通り)19.8172.3-7.477
9滋賀12.7110.5-12.41
10福井1195.74-19.12
11福島 (コシヒカリ会津)10.692.26+0.952
12広島8.372.24-10.75
13島根7.262.67-11.11
14新潟 (コシヒカリ岩船)6.859.19-18.07
15兵庫6.859.19-6.849
16新潟 (コシヒカリ佐渡)6.657.45-18.52
17石川6.556.58-12.16
18山口5.749.61-25.97
19高知5.447-12.9
20愛知5.346.13-30.26
21三重 (コシヒカリ一般)5.245.26-33.33
22宮崎4.438.3-4.348
23鳥取4.135.69-14.58
24香川3.833.08-9.524
25熊本3.732.21-13.95
26岡山3.631.33-2.703
27三重 (コシヒカリ伊賀)3.328.72-15.38
28岐阜2.723.5-15.63
29京都2.723.5-20.59
30山梨2.622.63-7.143
31鹿児島2.420.89-20
32愛媛2.420.89+4.348
33静岡2.320.02-39.47
34福島 (コシヒカリ浜通り)1.916.54-5
35埼玉1.613.93-33.33
36徳島1.412.19-12.5

販売数量の推移

卸売数量(コシヒカリ)

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

米価格の現状と今後

2025年5月時点で、コシヒカリの全国平均価格は2.8万円/60kgに達し、前年同月比で+76.54%の大幅な上昇となっています。これは過去10年で見ても極めて顕著な値上がりです。特に上位の産地では、

  • 新潟(佐渡)4.459万円

  • 茨城 3.699万円

  • 福島(会津)3.478万円といった高価格帯が目立ち、ブランド価値が反映されています。

価格の上昇率でみても、茨城が+109.7%、福島(会津)が+111%と、2倍近い高騰を記録しており、地域ごとの需要や品質評価の差が価格に大きく表れていることがわかります。


都市別の価格と数量の特徴

都市別に見ると、それぞれの地域には独自の特徴があります:

  • 新潟(佐渡):最高価格を記録。離島特有の生産条件と希少性が影響。

  • 茨城:価格も数量も上位。流通利便性が高く、首都圏需要を反映。

  • 福島(会津・中通り):地理的に寒暖差が大きく、良食味米として人気。価格上昇が特に著しい。

  • 富山・栃木:比較的価格も数量も高く、安定した生産基盤がある。

  • 新潟(魚沼・岩船):ブランド力が高いが、価格は意外と抑えられており、魚沼では販売数量が比較的多い。

このように、価格と数量の両立ができている産地は少なく、ブランド力のある地域では数量が絞られる傾向にあるのが特徴です。


価格高騰の要因

今回の価格高騰にはいくつかの要因が複合しています:

  1. 生産コストの上昇:肥料・農薬・燃料などの資材価格の上昇が続いており、生産者は価格転嫁を余儀なくされています。

  2. 異常気象の影響:2024年夏の猛暑や台風による減収が価格押し上げに影響。

  3. 需給のひっ迫:インバウンド回復による外食産業の需要増、家庭内での国産米志向が再燃。

  4. ブランド米の人気:魚沼・佐渡・会津などの銘柄米が国内外から高く評価され、高値取引に。


販売数量の推移と生産構造の変化

全体の販売数量平均は11.49トンですが、主要産地では以下のような数量が観測されています:

  • 新潟(1般)80.4トン(圧倒的な供給量)

  • 栃木 38.6トン

  • 富山 32.5トン

  • 茨城 29.7トン

ただし、前年同月比では平均で-8.13%の減少と、全国的に出荷量が減っています。特に、

  • 福井 -19.12%

  • 滋賀 -12.41%といった減少が目立ち、生産者の高齢化や耕作放棄地の増加、気候リスクの顕在化が背景にあります。

その1方で、長野(+9.504%)のように増加している地域もあり、若手農業者の3入や法人化の進展が見られる地域では、量的確保に成功している例もあります。


今後の見通しと課題

今後の課題は、以下の点に集約されます:

  • 価格の安定化:極端な高騰は消費者離れを引き起こす懸念。

  • 安定供給の確保:気候変動や農業人材の減少への対応。

  • ブランド戦略の見直し:魚沼のような伝統ブランドと、茨城のような新興産地との差別化と共存が求められます。

また、海外輸出やふるさと納税での需要も徐々に広がっており、生産・流通・販売の3位1体での戦略が必要です。

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