2025年5月の大人用紙おむつ10枚の平均価格は905.5円。松江や札幌、岐阜など地方都市を中心に高値傾向で、前年比+1.464%。原材料費の上昇、物流コスト、人件費、需要構造が価格形成に影響。今後も緩やかな値上がりが続く可能性がある。
都市別の大人用紙おむつ10枚の相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 905.5 | +1.464 | |
1 | 松江 | 967 | +9.142 |
2 | 札幌 | 949 | +8.457 |
3 | 岐阜 | 941 | +3.067 |
4 | 秋田 | 936 | +4 |
5 | 盛岡 | 936 | +2.744 |
6 | 山形 | 931 | |
7 | 高松 | 928 | +1.2 |
8 | 山口 | 928 | +8.033 |
9 | 徳島 | 926 | +0.108 |
10 | 大分 | 923 | +4.412 |
11 | 鳥取 | 922 | +2.902 |
12 | 宇都宮 | 922 | +0.326 |
13 | 横浜 | 919 | +1.998 |
14 | 岡山 | 918 | -2.548 |
15 | 福島 | 917 | +1.326 |
16 | 新潟 | 917 | +2.573 |
17 | 佐賀 | 917 | +0.769 |
18 | 仙台 | 914 | +0.329 |
19 | 広島 | 912 | -2.041 |
20 | 奈良 | 912 | -0.437 |
21 | 長野 | 911 | +1.222 |
22 | 大阪 | 911 | +0.11 |
23 | 福井 | 909 | |
24 | 富山 | 908 | +1.68 |
25 | 金沢 | 906 | +4.258 |
26 | 東京都区部 | 906 | +3.543 |
27 | 熊本 | 904 | +2.961 |
28 | 青森 | 902 | -1.205 |
29 | 津 | 901 | |
30 | 松山 | 901 | +1.808 |
31 | 名古屋 | 901 | |
32 | 大津 | 897 | |
33 | 神戸 | 896 | +1.243 |
34 | 千葉 | 896 | -0.444 |
35 | 長崎 | 894 | |
36 | 福岡 | 889 | +2.067 |
37 | 京都 | 888 | +3.016 |
38 | さいたま | 888 | -1.443 |
39 | 甲府 | 887 | +2.189 |
40 | 水戸 | 887 | |
41 | 高知 | 886 | +3.505 |
42 | 前橋 | 882 | +3.643 |
43 | 那覇 | 864 | -3.679 |
44 | 静岡 | 862 | -2.709 |
45 | 宮崎 | 853 | +0.708 |
46 | 鹿児島 | 852 | +1.429 |
47 | 和歌山 | 842 |

詳細なデータとグラフ
大人用紙おむつの小売価格の相場と推移
2025年5月時点での大人用紙おむつ10枚の全国平均価格は905.5円です。これは1枚あたり約90.5円に相当し、1般的な生活用品の中では比較的高価格帯に分類されます。
都市別に見ると、松江(967円)・札幌(949円)・岐阜(941円)・秋田・盛岡(936円)などが上位に並んでおり、東北・中国・4国など地方都市が高値傾向にあることが特徴的です。
都市別の価格構造と地域的な傾向
地方都市で高値の傾向
特に松江・札幌・秋田・山形といった地方中核都市で価格が高めです。これは以下の要因が重なっていると考えられます:
-
地理的制約による物流コストの上昇
-
店舗間競争の少なさからくる価格の固定化
-
高齢化が進んでいる地域が多く、需要が安定して高いため、価格が下がりにくい構造になっています。
比較的安定した西日本の中規模都市
高松、徳島、大分なども900円台前半ですが、前年比の価格上昇率は比較的低く抑えられています(+0.1%~+1.2%程度)。これは、プライベートブランドの浸透やドラッグストアの出店競争が1定の価格抑制効果をもたらしていると考えられます。
これまでの価格推移と直近の変化
2014年以降の推移を見ると、大人用紙おむつの価格は緩やかな上昇基調にあります。直近1年間の全国平均上昇率は+1.464%と、他の医療・衛生用品と比較しても比較的小幅な上昇にとどまっています。
ただし、松江(+9.1%)や札幌(+8.4%)など1部の都市では急上昇しており、地域ごとのばらつきが大きくなっている点も注目されます。
価格上昇の背景と要因分析
原材料費と製造コストの増加
紙おむつの主原料であるパルプ・不織布・高吸水ポリマー(SAP)は、国際的な需給や原油価格の影響を受けやすく、原材料費の上昇が続いています。
② 人件費・物流費の上昇
2020年代に入ってから、物流業界の人手不足や賃上げの影響が顕著となり、地方への流通コストが高騰しています。
③ 高齢者人口の地域差
都市によって高齢者の人口構成が異なるため、需要の高さに応じて値崩れしにくい地域と、競争が激しい地域の差が出ています。特に高齢化が進む地方では、ある程度の価格でも安定して需要があると見られます。
④ ブランドと販路の影響
大手ドラッグストアチェーンやスーパーのプライベートブランドの有無が、都市ごとの価格に影響を与えています。地元密着型の小売店が主流の都市では、価格競争が起きにくく、高止まりしやすい傾向があります。
今後の見通しと生活への影響
今後も価格の大幅な下落は見込みにくく、高齢化社会の進展とともに1定の需要が継続すると予想されます。輸入コストや燃料価格の高止まり、国内物流網の再編が続けば、さらなる緩やかな値上がりが継続する可能性があります。
その1方で、介護保険制度の見直しや軽減税率、地場企業のPB製品開発など、生活者の負担軽減に向けた取り組みも強化されていくと考えられます。
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