2023年の世界のメロン生産量は29.54Mtで微減傾向。中国が半数を占める中、カザフスタンやブラジル、イタリアなどが成長を牽引。一方でトルコやイランでは水不足による減産も。今後は耐乾性品種や輸出志向の高品質栽培が鍵を握る。
メロンの生産量ランキング
各国 | 最新値[Mt] | 全体比[%] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|---|
世界 | 29.54 | 100 | -0.781 | |
1 | 中国 | 14.5 | 49.09 | +1.785 |
2 | インド | 1.498 | 5.071 | |
3 | トルコ | 1.403 | 4.75 | -11.59 |
4 | カザフスタン | 1.371 | 4.642 | +12.93 |
5 | ブラジル | 0.862 | 2.919 | +23.22 |
6 | グアテマラ | 0.85 | 2.879 | -4.837 |
7 | アフガニスタン | 0.795 | 2.691 | +4.27 |
8 | イタリア | 0.763 | 2.581 | +29.2 |
9 | メキシコ | 0.649 | 2.195 | +11.84 |
10 | イラン | 0.631 | 2.137 | -6.661 |
11 | アメリカ | 0.598 | 2.023 | -9.81 |
12 | バングラデシュ | 0.587 | 1.986 | -2.222 |
13 | スペイン | 0.517 | 1.748 | -1.435 |
14 | エジプト | 0.453 | 1.535 | -55.51 |
15 | モロッコ | 0.45 | 1.523 | -6.225 |
16 | パキスタン | 0.399 | 1.351 | +1.912 |
17 | フランス | 0.323 | 1.092 | +4.878 |
18 | ホンジュラス | 0.279 | 0.944 | +1.089 |
19 | オーストラリア | 0.226 | 0.765 | +2.542 |
20 | 韓国 | 0.194 | 0.657 | -3.163 |
21 | ベネズエラ | 0.142 | 0.479 | +3.493 |
22 | 日本 | 0.136 | 0.461 | -4.275 |
23 | インドネシア | 0.118 | 0.399 | -0.76 |
24 | チュニジア | 0.109 | 0.368 | +0.667 |
25 | アゼルバイジャン | 0.0872 | 0.295 | -7.463 |
26 | 北朝鮮 | 0.0825 | 0.279 | -1.169 |
27 | イラク | 0.0819 | 0.277 | -54.73 |
28 | アルゼンチン | 0.0812 | 0.275 | +0.0671 |
29 | コロンビア | 0.0716 | 0.242 | +4.93 |
30 | ギリシャ | 0.0654 | 0.221 | -0.547 |
31 | ヨルダン | 0.0648 | 0.219 | -27.18 |
32 | ウクライナ | 0.0589 | 0.199 | -13.2 |
33 | コスタリカ | 0.0582 | 0.197 | +11.44 |
34 | シリア | 0.0555 | 0.188 | -26.14 |
35 | 南スーダン | 0.0547 | 0.185 | -0.262 |
36 | ポルトガル | 0.0529 | 0.179 | -11.07 |
37 | サウジアラビア | 0.0529 | 0.179 | -4.606 |
38 | アルバニア | 0.0521 | 0.176 | -7.725 |
39 | オマーン | 0.0499 | 0.169 | +5.207 |
40 | キューバ | 0.0491 | 0.166 | -0.16 |
41 | カメルーン | 0.0473 | 0.16 | -0.147 |
42 | ドミニカ共和国 | 0.0449 | 0.152 | +39.36 |
43 | スーダン | 0.0405 | 0.137 | +0.329 |
44 | チリ | 0.0384 | 0.13 | -5.508 |
45 | マリ | 0.0375 | 0.127 | +6.019 |
46 | イエメン | 0.0345 | 0.117 | -20.12 |
47 | パラグアイ | 0.032 | 0.108 | +0.382 |
48 | ルーマニア | 0.0309 | 0.105 | -5.589 |
49 | ニジェール | 0.0306 | 0.104 | -6.055 |
50 | ブルガリア | 0.0295 | 0.0998 | +37.23 |
51 | セネガル | 0.0284 | 0.0961 | +11.29 |
52 | ペルー | 0.0271 | 0.0916 | +7.536 |
53 | リビア | 0.0266 | 0.0901 | +0.0835 |
54 | スリランカ | 0.0243 | 0.0823 | -3.658 |
55 | イスラエル | 0.024 | 0.0812 | -2.242 |
56 | エクアドル | 0.0169 | 0.0571 | -0.606 |
57 | レバノン | 0.0159 | 0.054 | -2.016 |
58 | ラオス | 0.0159 | 0.0539 | +4.41 |
59 | 南アフリカ | 0.0137 | 0.0463 | +0.529 |
60 | ハンガリー | 0.0136 | 0.0461 | +25.67 |
61 | ジョージア | 0.0107 | 0.0362 | -16.41 |
62 | カナダ | 0.0104 | 0.035 | -4.193 |
63 | フィリピン | 0.00863 | 0.0292 | +15.17 |
64 | モルドバ | 0.00681 | 0.023 | +139.7 |
65 | パレスチナ | 0.0067 | 0.0227 | -18.51 |
66 | キプロス | 0.0055 | 0.0186 | -0.722 |
67 | クロアチア | 0.00498 | 0.0169 | +58.1 |
68 | アラブ首長国連邦 | 0.00447 | 0.0151 | +8.232 |
69 | ジャマイカ | 0.00384 | 0.013 | -8.759 |
70 | パナマ | 0.00354 | 0.012 | -37.92 |
71 | ハイチ | 0.00341 | 0.0115 | +0.515 |
72 | ニュージーランド | 0.00335 | 0.0113 | -0.182 |
73 | エルサルバドル | 0.00294 | 0.00995 | -51.88 |
74 | ギニア | 0.00274 | 0.00927 | -0.973 |
75 | カタール | 0.00264 | 0.00894 | +362.7 |
76 | ウルグアイ | 0.00235 | 0.00795 | -0.057 |
77 | モンテネグロ | 0.00226 | 0.00765 | +4.233 |
78 | マルタ | 0.00179 | 0.00606 | -24.15 |
79 | バーレーン | 0.00172 | 0.00581 | |
80 | クウェート | 0.00116 | 0.00391 | +2.484 |
81 | 北マケドニア | 0.00115 | 0.00389 | -0.308 |
82 | バルバドス | 0.00114 | 0.00384 | -41.03 |
83 | ベリーズ | 0.000871 | 0.00295 | -10.67 |
84 | ナミビア | 0.000671 | 0.00227 | +0.178 |
85 | メラネシア | 0.000645 | 0.00218 | +1.017 |
86 | ソロモン諸島 | 0.000587 | 0.00199 | -0.185 |
87 | ジンバブエ | 0.000449 | 0.00152 | -0.209 |
88 | グレナダ | 0.000406 | 0.00137 | -33.77 |
89 | スロベニア | 0.0003 | 0.00102 | +20 |
90 | スロバキア | 0.00025 | 0.000846 | -19.35 |
91 | ジブチ | 0.000191 | 0.000648 | +4.179 |
92 | ポリネシア | 0.000188 | 0.000635 | +40.07 |
93 | フランス領ポリネシア | 0.000188 | 0.000635 | +40.07 |
94 | ポーランド | 0.0001 | 0.000339 | -66.67 |
95 | フィジー | 5.74E-5 | 0.000194 | +15.21 |
96 | スイス | 1.6E-5 | 5.42E-5 | -27.27 |
97 | プエルトリコ | 1.04E-5 | 3.52E-5 | -82.05 |
98 | アンティグアバーブーダ | 7.76E-6 | 2.63E-5 | -78.06 |
99 | ルクセンブルク | 0 | 0 | |
100 | リトアニア | 0 | 0 | |
101 | ラトビア | 0 | 0 | |
102 | ベルギー | 0 | 0 | |
103 | フィンランド | 0 | 0 | |
104 | デンマーク | 0 | 0 | |
105 | スウェーデン | 0 | 0 | -100 |
106 | オランダ | 0 | 0 | |
107 | エストニア | 0 | 0 | |
108 | アイルランド | 0 | 0 |


詳細なデータとグラフ
メロンの現状と今後
2023年の世界全体のメロン生産量は29.54百万トン(Mt)で、前年比-0.781%の微減となりました。過去数十年を通じてメロンの生産は着実に拡大してきましたが、近年では地域ごとの差が鮮明になってきています。
メロンは比較的高温・乾燥に強く、露地栽培がしやすい作物ですが、病害虫や水管理の難しさ、輸送中の傷みやすさなどの課題もあり、気候変動や市場の変化に左右されやすい果実です。
中国:圧倒的なシェアと安定成長
2023年、中国のメロン生産量は14.5Mtで、世界の約49%を占める圧倒的なシェアを持っています。前年比も+1.785%と増加傾向を維持しており、これは次のような要因によるものと考えられます:
-
広大な栽培面積と品種の多様性(哈密瓜など地域特産)
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国内市場での安定した需要
-
灌漑や施設栽培の普及による安定生産
今後も内需の堅調さを背景に、生産は微増傾向で推移する可能性が高いですが、輸出拡大には品質管理と輸送技術の課題が残ります。
インド・トルコ・カザフスタンの地域的対比
インド(1.498Mt)
インドは高温で乾燥した気候を活かし、メロン栽培に適した地域が多いことから、近年は徐々に生産を拡大しています。2023年は増減データが未記載ながら、中国に次ぐ第2位の位置を占めています。国内市場向けが中心ですが、将来的には輸出拡大も視野に入るでしょう。
トルコ(1.403Mt、前年比 -11.59%)
大幅な減産(-11.59%)が見られたトルコは、伝統的にメロン栽培が盛んな国ですが、2023年の減少は干ばつや水不足、生産コスト増が影響していると推察されます。今後は耐乾性品種の導入や灌漑効率化が求められます。
カザフスタン(1.371Mt、+12.93%)
カザフスタンは近年急成長中の新興生産国です。2023年には前年比+12.93%の大幅増加を記録しており、広大な土地・安価な労働力・ロシア等への地理的近さが追い風となっています。今後も生産拡大が見込まれますが、輸送インフラの整備と気候リスク対応が課題です。
中南米と欧州の安定生産国
ブラジル(0.862Mt、+23.22%)
ブラジルは前年比+23.22%と著しい伸びを見せています。これは北東部の乾燥地帯での灌漑農業が効率化されたことや、欧州・中東市場への輸出が増加していることが背景にあります。今後も輸出志向型の戦略が主軸となるでしょう。
グアテマラ(0.85Mt、-4.837%)
グアテマラは中南米での有力な生産国ですが、2023年はやや減少。小規模農家が多く、天候リスクやインフラ問題の影響を受けやすい点が課題です。今後の成長には、サプライチェーンの効率化と品質保持技術の導入が必要です。
イタリア(0.763Mt、+29.2%)
イタリアは前年比+29.2%と大きな回復を見せました。これは前年の天候不順からの反動増と考えられます。高品質品種の栽培とEU域内流通が強みであり、今後も安定した需要が期待されます。
その他の注目国の動向
アフガニスタン(0.795Mt、+4.27%)
近年、伝統的な栽培知識と手作業による栽培で生産を伸ばしているアフガニスタン。治安やインフラの問題はあるものの、乾燥地に適した栽培条件を持つため、地域限定での安定成長が見込まれます。
メキシコ(0.649Mt、+11.84%)
メキシコはアメリカ市場への輸出が主軸であり、2023年には+11.84%と成長。今後も近距離輸送による鮮度保持が強みとして生かされ、輸出用栽培が拡大する可能性があります。
イラン(0.631Mt、-6.661%)
水資源問題が深刻なイランでは、干ばつの影響により生産量が減少。灌漑効率の改善と塩害対策が今後の重要課題です。
今後の世界メロン生産の展望(~2030年)
新興国の台頭と地域分散
カザフスタンやアフガニスタンなどの中央アジア圏や、メキシコ・グアテマラといった中南米地域が、今後の成長エンジンとなる可能性があります。生産の地理的多様化は、需給バランスの安定に寄与するでしょう。
水資源と気候変動リスクへの対応
メロンは乾燥にある程度強い果実ですが、栽培には適度な水分と温度管理が必要です。将来的には、耐乾性・早生品種の育成、スマート農業導入、水管理技術の進化が不可欠です。
品質志向と差別化戦略の重要性
今後の市場では「甘さ」「食感」「外観」といった品質面での競争がより重要になります。各国ともに、高付加価値品種(たとえば日本型メロン)やブランド化を進めることで、差別化が求められます。
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