世界のコーヒー生産動向:主要国の特徴と気候変動への対応策

生産量

2023年の世界のコーヒー生産量は11.06Mトンで前年比+3.077%。ブラジルやホンジュラス、エチオピアなどで増加傾向が続き、需要の拡大に対応。一方で気候変動の影響も深刻化しており、高地シフトや持続可能な農法の導入が今後の課題と予測される。

コーヒーの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[M]全体比[%]前年比[%]
世界11.06100+3.077
1ブラジル3.40530.78+7.112
2ベトナム1.95717.69+0.143
3インドネシア0.766.871-1.906
4コロンビア0.6816.154+2.382
5エチオピア0.5595.056+14.37
6ホンジュラス0.3843.474+16.43
7ウガンダ0.3843.471+13.61
8ペルー0.373.34+3.175
9インド0.3333.008-2.22
10中央アフリカ共和国0.3162.857+3
11グアテマラ0.2252.037-0.0766
12ギニア0.21.808-23.56
13メキシコ0.1951.762+3.3
14ラオス0.1781.606+3.896
15ニカラグア0.1431.295-15.77
16中国0.1090.985+0.05
17コートジボワール0.09130.825+1.612
18コスタリカ0.07880.712+5.631
19タンザニア0.06290.569-5.865
20コンゴ民主共和国0.06220.562+6.161
21ベネズエラ0.05640.51-1.393
22マダガスカル0.04930.446-3.101
23ケニア0.04870.44-6.166
24メラネシア0.04540.41+11.19
25パプアニューギニア0.04540.41+11.2
26エルサルバドル0.03230.292-22.79
27イエメン0.03030.274-17.74
28フィリピン0.030.271+0.222
29ルワンダ0.02710.245+43.07
30カメルーン0.02430.219-7.542
31ボリビア0.02360.213+1.466
32ドミニカ共和国0.02340.212+18.33
33トーゴ0.02290.207-8.901
34アンゴラ0.02010.181+19.71
35タイ0.01660.15-11.31
36パナマ0.01280.115-6.786
37マラウイ0.0110.0994
38ブルンジ0.00990.0895-5.714
39東ティモール0.009170.0829-21.85
40ザンビア0.008790.0794-0.614
41ミャンマー0.008420.0761-1.634
42ジャマイカ0.008150.0737+15.4
43キューバ0.0060.0542-4.031
44マレーシア0.0060.0542+55.76
45エクアドル0.005580.0505-29.9
46ハイチ0.005050.0456-0.378
47スリランカ0.004750.0429-1.616
48赤道ギニア0.004090.037-0.464
49シエラレオネ0.00360.0325+39.53
50コンゴ0.003240.0293-0.215
51アメリカ0.003120.0282-16.97
52ナイジェリア0.001840.0167+1.907
53プエルトリコ0.001620.0146-41.01
54モザンビーク0.0007950.00718-0.0955
55トリニダード・トバゴ0.0007710.00697+5.264
56ガーナ0.0007360.00665
57ジンバブエ0.0006990.00632+2.626
58リベリア0.0006250.00565-0.126
59ネパール0.0003940.00356+11.1
60カンボジア0.0003650.0033+0.212
61ドミニカ0.0003610.00326+1.638
62パラグアイ0.0002670.00242-20.58
63セントビンセント・グレナディーン0.0001850.00168-0.097
64コモロ0.0001440.0013+0.679
65ガイアナ0.0001330.0012-76.54
66ガボン0.0001040.000939
67ベリーズ8.96E-50.000809+0.0335
68ベナン5.51E-50.000498-0.38
69ポリネシア4.91E-50.000444-0.446
70フランス領ポリネシア2.19E-50.000198-0.545
71カーボベルデ1.72E-50.000155-63.47
72トンガ1.51E-50.000136-0.265
73バヌアツ1.43E-50.000129-4.533
74フィジー1.43E-50.000129-0.904
75サモア1.18E-50.000106-0.423
76サントメ・プリンシペ7.57E-66.84E-5+0.398
77スリナム5.63E-65.09E-5+0.896
78ニューカレドニア1.25E-61.13E-5-21.38
79クック諸島3.7E-73.34E-6
コーヒーの生産量
コーヒーの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

コーヒーの現状と今後

コーヒーは、石油に次いで世界で2番目に取引される商品とされるほど、経済・農業・文化において重要な農産物です。2023年の世界のコーヒー生産量は11.06Mトンで、前年より+3.077%の増加を記録しています。これは、需要の継続的な増加と、いくつかの主要生産国における豊作が要因と見られます。


主要生産国別の動向と地域特性

ブラジル(3.405M|+7.112%)

ブラジルは長年にわたり世界最大のコーヒー生産国であり、アラビカ種・ロブスタ種の両方を大量に生産しています。2023年も+7.1%と高い成長率を維持しており、機械化・品種改良・インフラ整備が生産効率向上の要因です。干ばつや霜の影響を受けやすいが、近年はそれへの耐性強化が進んでいます。

ベトナム(1.957M|+0.143%)

世界第2位のコーヒー生産国。主にロブスタ種を栽培し、インスタントコーヒー向けの需要に応えています。2023年は微増にとどまりましたが、集約的農業と輸出指向型経済に支えられ、安定的な生産が続いています。

インドネシア(0.76M|-1.906%)

インドネシアは多様な品種と標高で知られ、アラビカとロブスタ両方を生産します。2023年は減少傾向にあり、気象変動やインフラの課題が影響していると考えられます。スマトラ式精製法などの地域独自性は強みです。

コロンビア(0.681M|+2.382%)

アラビカ種専門国として世界的に評価が高く、品質を重視した農業が特徴。2023年は天候の安定により増加傾向にあります。小規模農家による手摘み収穫が1般的で、ブランド力が強く、今後も高品質市場での需要が見込まれます。

エチオピア(0.559M|+14.37%)

コーヒー発祥の地とされるエチオピアは、2023年に+14.37%の大幅増加を記録しました。伝統的農法と多様な在来種を活かしながら、近年は輸出促進策と品質改善が奏功しています。

ホンジュラス・ウガンダ・ペルー・インド・中央アフリカ

  • ホンジュラス(+16.43%)ウガンダ(+13.61%)は、アフリカ・中米の中では近年特に成長著しく、コーヒーが主要輸出品となっています。

  • ペルー有機・フェアトレード市場向けが強み。

  • インド(-2.22%)は気象と病害に弱く、やや減産傾向。

  • 中央アフリカ共和国は政治的リスクがある中でも着実に成長しています。


全体のトレンドとその背景

世界的な増加傾向

2023年の増加率+3.077%は、安定した世界需要と価格回復の影響によるものです。とくに都市部や若年層を中心に、コーヒーの消費文化の多様化(カフェ文化、サードウェーブ)が追い風になっています。

気候変動の影響

コーヒー栽培は気温・降雨・標高に大きく依存しており、気候変動による生産地のシフトが始まっています。従来の適地(標高800〜2,000m)が変化する中、高地への移行や新興地域の開発が進んでいます。


将来予測と持続可能性への取り組み

生産量の将来予測

世界のコーヒー需要は2030年までに現在より20〜25%増加するとの予測もあり、生産量もそれに伴い拡大が求められます。とはいえ、気候リスクと土地不足により、増産は簡単ではありません。

持続可能な農業の必要性

  • アグロフォレストリー(森林農法)

  • 有機認証・フェアトレード

  • 高収量・病害抵抗性品種の導入

これらが生産国で進められており、将来の持続可能なコーヒー生産には欠かせません。品質志向と倫理的消費が今後の鍵になります。

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