2025年4月の全国バナナ平均価格は225円/kg。広島市や沖縄県では高価格傾向が続き、熊本市や水戸市では安価に抑えられています。物流コストや地域流通構造、為替の影響が価格差の要因で、今後も価格は安定傾向ながら地域差の是正が課題です。
バナナのデータとグラフ
バナナの高い順
主要市場 | 広島市 | 沖縄県 | 札幌市 | 宇部市 | 福井市 | 高松市 | 徳島市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2025年4月 | 2023年12月 |
最大期 | 2024年8月 | 2024年9月 | 2024年11月 | 2025年2月 | 2023年12月 | 2023年7月 | 2024年9月 | 2023年12月 |
最新値[円/kg] | 225 | 274 | 273.7 | 264 | 264 | 253 | 250.3 | 249 |
最大値[円/kg] | 242.3 | 287.3 | 275 | 268.7 | 264 | 273 | 269 | 249 |
前月比[%] | +2.426 | -0.3636 | -0.2406 | +3.937 | -2.692 | -1.317 | +5.508 | |
平均比[%] | 100 | 121.8 | 121.6 | 117.3 | 117.3 | 112.4 | 111.3 | 110.7 |
バナナの安い順
主要市場 | 金沢市 | 福岡市 | 水戸市 | 熊本市 | 千葉市 | さいたま市 | 京都市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2025年4月 |
最大期 | 2024年8月 | 2024年10月 | 2024年9月 | 2020年4月 | 2008年10月 | 2020年4月 | 2020年5月 | 2024年7月 |
最新値[円/kg] | 225 | 227.7 | 195.7 | 119 | 105 | 144 | 160 | 213.3 |
最大値[円/kg] | 242.3 | 264.3 | 203 | 233 | 207 | 210 | 186 | 234.7 |
前月比[%] | +2.426 | +4.917 | +7.706 | -9.16 | -5.405 | -2.703 | +3.896 | +6.665 |
平均比[%] | 100 | 101.2 | 86.96 | 52.89 | 46.67 | 64 | 71.11 | 94.81 |

バナナの推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
バナナの価格についての推移と展望
日本におけるバナナの果物価格は、2008年以降、おおむね200〜230円/kgの範囲で推移しており、比較的安定した果物として位置づけられています。2025年4月の全国平均価格は225円/kgであり、ここ数年の価格帯と比べても中庸な水準です。
この安定の背景には以下の要因があります:
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バナナはほぼすべてを輸入に依存しているため、国内の天候や収穫の影響を受けにくい。
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消費量が安定し、「定番果物」として価格の変動が少ない。
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フィリピン・エクアドルなどの供給元での生産・輸送コストが価格に大きく関係。
価格の高い都市の特徴と背景
高価格帯都市(広島市・沖縄県・札幌市・宇部市)
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広島市(274円/kg)、沖縄県(273.7円/kg)は全国平均の約122%と突出。
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共通点として、流通距離や流通量の制限、地場小売店中心の流通構造が価格高騰の要因。
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札幌市・宇部市(264円/kg)も、輸送コストや季節変動の影響を受けやすい地域。
また、沖縄県では本土との輸送コストが他地域より高く、それが消費者価格にも反映されている傾向があります。都市圏の中でも、広島市は高品質志向の購買層が多く、バナナの「ブランド選択」が価格に影響していると推察されます。
価格の安い都市の傾向とその背景
低価格帯都市(水戸市・熊本市・千葉市)
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熊本市(105円/kg)・水戸市(119円/kg)と全国平均を大きく下回る。
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水戸市・千葉市・さいたま市など関東圏は、大規模流通網と量販店の競争により、果物価格が低く抑えられている。
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熊本市のような地方都市では、輸入バナナの直販が盛んで中間コストが少ない可能性がある。
また、福岡市も195.7円/kgと都市規模の割に価格が低く、大手スーパーの進出や販促活動によって価格が抑制されていることが推察されます。
最近の課題と価格変動の要因
近年の問題として、以下のような要素が全国の価格に影響を与えています。
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為替の影響:円安が続く中、輸入果物のコスト上昇が懸念材料。
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フィリピンでの生産環境の不安定化:台風・労働力不足・病害などで供給に影響。
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温暖化による熟成速度の管理コスト増:輸入後の品質保持にもコストがかかっている。
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物流費・人件費の上昇:2020年代に入り、国内流通コストが継続的に上昇。
一方、主要都市の前月比では、金沢市(+4.917%)、福岡市(+7.706%)、京都市(+6.665%)などが大幅上昇しており、物流費や在庫調整による短期的な供給変動が影響していると見られます。
今後の価格展望と地域別の動向予想
短期的な見通し(2025年内)
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全国平均は220〜230円/kgの範囲内で安定すると予測される。
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為替の影響や輸送コストが続けば、一時的な240円/kg台への上昇もありうる。
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沖縄・北海道などの周縁地域では価格が高止まり傾向。
中長期的な見通し(2026年以降)
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持続的な物流合理化や輸送技術革新により、価格の地域差は縮小していくと期待。
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ただし、安価なバナナの品質問題(過熟・輸送傷み)などが消費者に影響し、プレミアムバナナ志向が強まる可能性あり。
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地域別では、福岡・金沢・京都など都市部の価格上昇圧力が続く一方、熊本・水戸などでは引き続き割安傾向が予想される。
総括と政策的課題
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バナナは日本の果物消費において最も消費量が多い果物であり、価格の変動が家計や小売戦略に直接影響する。
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今後は、持続可能な輸入体制、国際取引の安定性確保、消費者への品質情報提供の強化が求められる。
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地域別には、流通の集約化や物流費の分散によって格差是正が進むかが鍵。
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