2025年3月時点でコンタクトレンズ(90枚入り)の全国平均は1.064万円。佐賀や宇都宮では1.2万円超と高く、地方ではEC未導入や競争の少なさが価格を押し上げています。一方、金沢や和歌山では0.85万円台と低価格。製品の高機能化と流通構造の違いが価格差の主因です。
都市別のコンタクトレンズ1箱90枚の相場価格
都市 | 最新値[万円] | 前年同月比[%] | |
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平均 | 1.066 | +0.788 | |
1 | 佐賀 | 1.288 | +2.385 |
2 | 青森 | 1.262 | +6.07 |
3 | 福島 | 1.216 | +1.843 |
4 | 熊本 | 1.206 | |
5 | 松江 | 1.193 | |
6 | 千葉 | 1.178 | |
7 | 長崎 | 1.173 | |
8 | 鹿児島 | 1.162 | +2.651 |
9 | 津 | 1.161 | +3.477 |
10 | 東京都区部 | 1.161 | +3.783 |
11 | 名古屋 | 1.158 | +6.316 |
12 | 長野 | 1.149 | |
13 | 京都 | 1.145 | +7.263 |
14 | 福井 | 1.137 | |
15 | 札幌 | 1.131 | -4.693 |
16 | 岐阜 | 1.128 | |
17 | さいたま | 1.127 | +15.09 |
18 | 宮崎 | 1.106 | |
19 | 大阪 | 1.099 | +0.53 |
20 | 福岡 | 1.099 | +1.694 |
21 | 盛岡 | 1.097 | +1.013 |
22 | 仙台 | 1.093 | +2.6 |
23 | 甲府 | 1.087 | +1.286 |
24 | 秋田 | 1.087 | +1.023 |
25 | 奈良 | 1.078 | +1.031 |
26 | 松山 | 1.074 | |
27 | 大津 | 1.072 | |
28 | 大分 | 1.06 | |
29 | 静岡 | 1.057 | -3.205 |
30 | 宇都宮 | 1.055 | -15.06 |
31 | 水戸 | 1.051 | +2.767 |
32 | 横浜 | 1.041 | +0.337 |
33 | 山形 | 1.038 | |
34 | 高知 | 1.026 | |
35 | 広島 | 1.003 | |
36 | 新潟 | 0.997 | +4.616 |
37 | 神戸 | 0.959 | -6.072 |
38 | 前橋 | 0.956 | +3.24 |
39 | 富山 | 0.931 | +2.004 |
40 | 岡山 | 0.924 | |
41 | 徳島 | 0.903 | +1.313 |
42 | 鳥取 | 0.893 | |
43 | 山口 | 0.884 | +3.079 |
44 | 那覇 | 0.88 | |
45 | 高松 | 0.862 | |
46 | 和歌山 | 0.855 | -6.455 |
47 | 金沢 | 0.847 |

詳細なデータとグラフ
コンタクトレンズの小売価格の相場と推移
コンタクトレンズは、視力矯正手段としてメガネと並ぶ存在であり、特に90枚入りのデイリータイプ(約3か月分)は利便性・衛生面から需要が高まっています。医療機器として品質規制がある1方で、価格面では通販や量販店による競争が激しく、地域ごとに大きな価格差が見られます。本稿ではその価格動向と背景を詳細に解説します。
全国平均の推移と背景
2025年3月時点での全国平均価格は1.064万円(90枚入り1箱)。2016年からのデータを見ると、緩やかに価格が上昇しています。これは以下のような要因によるものです:
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円安により輸入コンタクトの価格上昇
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医療機器としての認証・検査コストの上昇
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高含水やシリコーンハイドロゲルなど高機能製品の需要拡大
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中間流通業者の整理とEC化による「値ごろ感」への変化
価格が高い地域の特徴 ― 佐賀・宇都宮・福島など
佐賀(1.27万円):
全国最高値。前年同期比+0.954%。流通網が限定的である上、店頭販売比率が高いため、割引競争が起こりにくい環境と考えられます。オンライン通販利用率も都市部より低い可能性があります。
宇都宮(1.242万円)、福島(1.216万円):
栃木・福島ともに医療系店舗の集中が市街地に限られ、価格競争が限定的です。福島では前年同期比+1.843%とやや高めの上昇率。取扱店舗の減少やEC利用率の地域格差が影響している可能性があります。
東京都区部(1.164万円):
価格帯は高めでありながら、前年同期比+4.583%と全国で最も上昇率が高いエリアの1つ。都心部のオフィスワーカー層をターゲットにした高機能レンズ(UVカットや長時間快適設計など)への移行が進んだ結果と考えられます。
価格が低い地域の特徴 ― 金沢・和歌山・高松など
金沢(0.847万円):
全国最低価格。関西圏の流通に近く、競争的な価格設定が可能な環境。ディスカウント店やECとの価格差も小さい。
和歌山(0.855万円、-4.148%):
特に注目すべきは価格下落。地元ドラッグストアのプライベートブランドの導入やEC連携セールなどが推察されます。
高松(0.862万円)、那覇(0.88万円)、山口(0.884万円):
比較的地方圏でありながら価格が抑えられているのは、独自の通販利用率の高さや、大型量販店の積極進出が関係していると見られます。特に山口の3.079%増は、これまでの安値維持から若干の調整局面と見られます。
価格動向に影響する要因分析
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製品構成の変化:従来の低価格スタンダード品から、長時間装用・うるおい保持などの高機能製品への移行が進行。
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購買チャネルの地域差:都市部と地方でEC活用率に格差。都市部は高価格でも利便性重視、地方は店頭依存傾向。
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メーカー戦略の違い:海外製品は輸送コスト増、日本製は医療認証コスト増などで価格を押し上げる圧力。
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サブスクリプションやEC価格の反映:1部都市では定期購入による割安販売が主流になり、平均価格に差異が出る。
今後の見通し ― 通販の普及と価格の2極化
今後、都市部では利便性と品質を重視した高価格帯の製品が主流となり、地方ではEC拡大に伴い価格競争が進む可能性があります。また、企業による定期配送サービス(サブスクリプション)がさらに浸透すれば、全国平均価格はやや安定または低下する可能性もあります。ただし、安全性や品質基準の強化が並行して進めば、そのぶん価格が維持されるリスクもあります。
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