ケーキの価格推移と今後の動向―地域差と物価上昇を読み解く

洋菓子

2025年5月のケーキ1個の全国平均価格は512.7円。金沢(659円)や京都(656円)など観光地で高価格傾向が顕著で、広島・山形では前年比で2割以上の値上がりが確認された。原材料高、人件費増、プレミアム志向が背景にあり、今後も緩やかな価格上昇が続く見通し。

都市別のケーキ1個の相場価格

2025年5月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均512.7+6.718
1金沢659+5.778
2京都656+6.84
3奈良613+2.337
4神戸602+10.87
5横浜596+6.05
6熊本594+10.82
7広島594+19.52
8東京都区部581+5.829
9大津580+17.65
10山形573+23.23
11さいたま572
12大阪565+3.48
13長崎557+12.07
14松江555+3.16
15福岡551+4.554
16那覇533+5.336
17岡山530-0.749
18和歌山527+0.381
19岐阜523+11.28
20名古屋521+7.202
21盛岡518+9.514
22宇都宮517+2.174
23静岡514+9.829
24水戸512+8.017
25徳島510+0.592
26高松502+8.19
27札幌500+9.409
28富山497+9.956
29山口488+5.4
30佐賀482+4.555
31秋田473+1.502
32千葉472+6.546
33467+1.522
34新潟467-4.499
35仙台466+5.669
36高知462+10.26
37鹿児島461+9.501
38前橋453+10.49
39鳥取450+7.914
40松山443+5.226
41福島442+11.06
42福井433+4.337
43大分432+5.109
44甲府428+12.04
45宮崎417+4.511
46青森406+2.525
47長野403+4.675
ケーキ1個

詳細なデータとグラフ

ケーキの小売価格の相場と推移

ケーキは、誕生日や記念日、日常のご褒美などに用いられる代表的な洋菓子であり、外食・菓子市場の中でも特に“贅沢性”の高い商品です。コンビニから高級パティスリーまで価格帯の幅が広く、地域経済や消費者嗜好を反映しやすいため、ケーキ1個の価格は「生活水準」や「物価の体感」を計る指標にもなっています。


2025年5月時点の都市別価格傾向

最新の全国平均価格は512.7円であり、ここ数年で明確に上昇傾向にあります。その中で、特に価格が高い都市は以下の通りです:

  • 金沢:659円

  • 京都:656円

  • 奈良:613円

  • 神戸:602円

  • 横浜:596円

  • 熊本・広島:594円、東京都区部:581円、大津:580円、山形:573円

上位都市はおおむね全国平均より15〜25%高い水準にあり、都市の経済力、観光資源、地場洋菓子文化が価格に影響していることがうかがえます。


前年同月比の価格変動と注目点

全国平均は+6.718%の上昇。都市別の増加率を見ると、以下のような大きな伸びが見られます:

  • 山形:+23.23%

  • 広島:+19.52%

  • 大津:+17.65%

  • 神戸:+10.87%

  • 熊本:+10.82%

1方で、奈良(+2.337%)など、価格の上昇が比較的穏やかな地域も存在します。特に山形や広島では前年比で2割以上の上昇が見られ、地元洋菓子店の仕入れコストや人件費の上昇を価格に転嫁している傾向が強いと推察されます。


都市別の価格差と背景要因

ケーキ価格には明確な地域性があり、以下のような要因が関係しています。

  1. 観光地と高級スイーツ文化の影響 金沢・京都・神戸といった都市は、観光地として知られ、老舗や高級パティスリーが多く、平均単価が高い傾向にあります。観光客をターゲットにしたプレミアム商品が価格を押し上げています。

  2. 都市部の物価・人件費の反映 東京都区部・横浜など大都市圏は、地価や人件費の高さを反映し、店舗運営コストが上昇。これがケーキ1個あたりの販売価格に表れています。

  3. 地方都市における急激な上昇 山形・広島・大津などは前年比で急激に価格が上昇しており、原材料高(卵・乳製品・小麦粉)やエネルギーコストの転嫁、加えてチェーン系洋菓子店の価格改定が影響していると見られます。


過去からの推移と今後の見通し

2015年時点では、ケーキ1個の全国平均価格は400円台前半で安定していましたが、2020年代に入り、

  • 原材料の価格高騰(卵・バター・小麦)

  • 光熱費と包装資材のコスト増

  • 人手不足による人件費上昇

  • プレミアム志向の消費傾向

などが重なり、2025年時点では500円台を突破しています。今後も、輸入原材料の為替影響や物流コストの上昇により、さらに価格が上がる可能性が高いです。また、内容量を減らす“実質値上げ”の傾向も継続すると予想されます。


消費者側の動向と地域戦略

価格上昇の中でも、消費者は「ご褒美消費」や「非日常体験」としてケーキを購入しており、値上げに対する受容度は比較的高いのが特徴です。地方都市でも「インスタ映え」や「地方スイーツブランド」の発展により、高価格帯ケーキの需要は堅調です。

1方で、デパ地下やECを活用した全国展開型ブランドの普及により、地域ごとの価格差がやや縮まる動きも見られます。とはいえ、観光地や高級住宅地では引き続き高水準の価格が続くと見られます。

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