IMFの最新データによると、アフリカで一人当たりGDP(米ドル)が最も高いのはセイシェルで2.16万ドル。上位国にはモーリシャスやガボンが続くが、成長率にはばらつきがある。経済構造の違いや人口規模、資源依存などが影響し、課題も多い。今後は経済多様化と人口構成の変化が鍵となるだろう。
一人当たりGDP(米ドル)、今年の予想ランキング
名称 | 最新値[万USD] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|
1 | セイシェル | 2.163 | +0.468 |
2 | モーリシャス | 1.233 | +3.785 |
3 | ガボン | 0.884 | -3.915 |
4 | 赤道ギニア | 0.775 | -1.747 |
5 | ボツワナ | 0.702 | -1.355 |
6 | リビア | 0.68 | +11.52 |
7 | 南アフリカ | 0.64 | +1.027 |
8 | アルジェリア | 0.569 | +0.156 |
9 | カーボベルデ | 0.542 | +1.735 |
10 | ナミビア | 0.466 | +4.239 |
11 | エスワティニ | 0.461 | +4.349 |
12 | チュニジア | 0.453 | +5.264 |
13 | モロッコ | 0.44 | +5.781 |
14 | ジブチ | 0.434 | +6.415 |
15 | サントメ・プリンシペ | 0.357 | +6.314 |
16 | エジプト | 0.317 | -11.11 |
17 | アンゴラ | 0.288 | -5.55 |
18 | コートジボワール | 0.287 | +5.466 |
19 | パプアニューギニア | 0.256 | +1.598 |
20 | ガーナ | 0.252 | +4.711 |
21 | モーリタニア | 0.248 | +4.899 |
22 | ケニア | 0.247 | +7.054 |
23 | ジンバブエ | 0.22 | +6.075 |
24 | ギニア | 0.19 | +13.98 |
25 | カメルーン | 0.187 | +3.581 |
26 | セネガル | 0.181 | +2.759 |
27 | コモロ | 0.17 | +3.948 |
28 | ベナン | 0.153 | +1.639 |
29 | ウガンダ | 0.134 | +10.54 |
30 | ザンビア | 0.133 | +6.922 |
31 | タンザニア | 0.128 | +4.138 |
32 | ギニアビサウ | 0.113 | +1.99 |
33 | ブルキナファソ | 0.111 | +10.05 |
34 | レソト | 0.11 | +2.884 |
35 | エチオピア | 0.107 | -19.22 |
36 | トーゴ | 0.105 | +0.097 |
37 | ルワンダ | 0.104 | +1.413 |
38 | チャド | 0.0991 | -4.222 |
39 | ガンビア | 0.0988 | +5.16 |
40 | マリ | 0.0936 | -1 |
41 | シエラレオネ | 0.0916 | +7.361 |
42 | リベリア | 0.0908 | +4.753 |
43 | ナイジェリア | 0.0807 | -2.085 |
44 | ソマリア | 0.0766 | +4.164 |
45 | ニジェール | 0.0751 | +6.158 |
46 | コンゴ民主共和国 | 0.0743 | +7.91 |
47 | モザンビーク | 0.0663 | +5.371 |
48 | スーダン | 0.0625 | +8.624 |
49 | マダガスカル | 0.0595 | +4.483 |
50 | マラウイ | 0.058 | +15.02 |
51 | 中央アフリカ共和国 | 0.0532 | +0.131 |
52 | ブルンジ | 0.049 | +38.07 |
53 | 南スーダン | 0.0251 | -28.36 |

一人当たりGDP(米ドル)、低い国ランキング
名称 | 最新値[USD] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 南スーダン | 251.5 | -28.36 |
2 | ブルンジ | 489.9 | +38.07 |
3 | 中央アフリカ共和国 | 531.8 | +0.131 |
4 | マラウイ | 580.2 | +15.02 |
5 | マダガスカル | 594.9 | +4.483 |
6 | スーダン | 624.9 | +8.624 |
7 | モザンビーク | 663.3 | +5.371 |
8 | コンゴ民主共和国 | 742.5 | +7.91 |
9 | ニジェール | 751 | +6.158 |
10 | ソマリア | 766 | +4.164 |
11 | ナイジェリア | 806.8 | -2.085 |
12 | リベリア | 907.6 | +4.753 |
13 | シエラレオネ | 915.8 | +7.361 |
14 | マリ | 936.2 | -1 |
15 | ガンビア | 987.6 | +5.16 |
16 | チャド | 991.1 | -4.222 |
17 | ルワンダ | 1043 | +1.413 |
18 | トーゴ | 1053 | +0.097 |
19 | エチオピア | 1066 | -19.22 |
20 | レソト | 1098 | +2.884 |
21 | ブルキナファソ | 1107 | +10.05 |
22 | ギニアビサウ | 1126 | +1.99 |
23 | タンザニア | 1280 | +4.138 |
24 | ザンビア | 1332 | +6.922 |
25 | ウガンダ | 1338 | +10.54 |
26 | ベナン | 1532 | +1.639 |
27 | コモロ | 1702 | +3.948 |
28 | セネガル | 1811 | +2.759 |
29 | カメルーン | 1865 | +3.581 |
30 | ギニア | 1904 | +13.98 |
31 | ジンバブエ | 2199 | +6.075 |
32 | ケニア | 2468 | +7.054 |
33 | モーリタニア | 2478 | +4.899 |
34 | ガーナ | 2519 | +4.711 |
35 | パプアニューギニア | 2565 | +1.598 |
36 | コートジボワール | 2872 | +5.466 |
37 | アンゴラ | 2884 | -5.55 |
38 | エジプト | 3174 | -11.11 |
39 | サントメ・プリンシペ | 3569 | +6.314 |
40 | ジブチ | 4343 | +6.415 |
41 | モロッコ | 4397 | +5.781 |
42 | チュニジア | 4528 | +5.264 |
43 | エスワティニ | 4613 | +4.349 |
44 | ナミビア | 4661 | +4.239 |
45 | カーボベルデ | 5421 | +1.735 |
46 | アルジェリア | 5691 | +0.156 |
47 | 南アフリカ | 6397 | +1.027 |
48 | リビア | 6801 | +11.52 |
49 | ボツワナ | 7021 | -1.355 |
50 | 赤道ギニア | 7750 | -1.747 |
51 | ガボン | 8842 | -3.915 |
52 | モーリシャス | 12330 | +3.785 |
53 | セイシェル | 21630 | +0.468 |

詳細なデータとグラフ
一人当たりGDP(米ドル)の現状と今後
1人当たりGDP(米ドル)は、国の国内総生産(GDP)をその年の平均人口で割った数値であり、経済的な豊かさの指標として広く用いられます。特に米ドル建ての値は国際比較に適しており、世界の中での経済的地位を可視化するうえで重宝されます。ただし、為替変動や1時的なショックに敏感であるため、短期的な変動を鵜呑みにすることは避けるべきです。
最新データに見るアフリカの1人当たりGDP(米ドル)
2025年の予測値では、アフリカ諸国の中で最も高いのはセイシェルで21,630ドル。これは観光業を中心にサービス経済が安定している小規模国家であることが背景にあります。次いでモーリシャス(12,330ドル)、ガボン(8,840ドル)、赤道ギニア(7,750ドル)など、主に資源国または観光立国が上位に入っています。
ただし、前年比で見るとガボン(-3.915%)、赤道ギニア(-1.747%)、ボツワナ(-1.355%)とマイナス成長を記録した国もあり、資源価格の影響や政情不安の影響がうかがえます。
1方、リビアは前年比+11.52%と急成長を示していますが、これは前年度が極端に低かった反動である可能性もあります。
構造的要因と地域差
1人当たりGDPの水準には、以下のような構造的要因が深く関わっています。
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人口規模の影響:小国で人口が少ない国は、総GDPが小さくても1人当たりでは高水準になりやすい(セイシェル、モーリシャスなど)。
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資源依存の影響:ガボン、赤道ギニア、リビアなどは石油や鉱物資源に依存する経済構造のため、国際価格の影響を強く受ける。
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サービス経済と観光:セイシェルやモーリシャスは観光収入が安定しており、政情も比較的安定している点が寄与している。
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政治・安全保障リスク:リビアや赤道ギニアのように高い1人当たりGDPを持っていても、実際の生活水準には格差があることも多い。
課題と限界
分配の不平等
1人当たりGDPが高くとも、富の分配が偏っている場合、国民の多くが貧困状態にあるケースもあります。赤道ギニアはその代表例で、石油による経済成長にもかかわらず、1般市民の生活水準は向上していないという批判もあります。
為替と統計上の変動
ドル建てのため、為替変動の影響を受けやすく、特に自国通貨が不安定な国では見かけ上の成長と実質的な成長が1致しない場合があります。
経済の脆弱性
資源依存型の国では、価格が下落したときに税収や輸出が急減し、経済の持続性が危うくなるリスクが高いです。
今後の展望と可能性
経済の多様化
ボツワナやモーリシャスのように、鉱業や観光から金融やICTなどの多様なセクターへと経済をシフトしつつある国は、将来的にも安定的な成長が期待されます。
若年人口と労働市場
多くのアフリカ諸国では若年人口の比率が高く、これを経済成長に結びつけることができれば、労働生産性と所得の向上が期待されます。
インフラ投資とFDI(海外直接投資)
インフラ整備や教育分野への投資が進めば、長期的には1人当たりGDPの上昇につながります。また、政治的安定と法制度の確立があれば、外国からの投資が増え、雇用と所得の増加が望めます。
まとめ
アフリカの1人当たりGDP(米ドル)は、国ごとの経済構造や外部環境の影響を大きく受けており、1概に水準の高さだけでは国民の生活水準を測ることはできません。今後の鍵は「経済の多様化」「若年層の活用」「分配の公平性」の3点です。特にモーリシャスやボツワナのようなモデルを3考に、持続可能な成長を目指す道が重要となるでしょう。
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