2025年5月のじゃがいも価格は全国平均254.8円/kgで、前月からは約18%下落。都市別に見ると仙台市や沖縄県などで高値が続く一方、札幌市では168円/kgと安値。需要と供給のバランスや物流コストが価格形成に影響し、今後も地域差が拡大する見込み。中長期的には価格上昇圧力も懸念される。
じゃがいもの卸売り市場価格
じゃがいもの高い順
2025年5月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 仙台市 | 北九州市 | 沖縄県 | 高松市 | 広島市 | 神戸市 | 名古屋市 | 金沢市 | 福岡市 | 東京都 |
最新値[円/kg] | 254.8 | 299.7 | 280.3 | 280 | 270 | 264 | 261 | 261 | 258.7 | 257.7 | 249.3 |
前月比[%] | -18.38 | -12.29 | -18.35 | -7.183 | -24.93 | -14.65 | -5.322 | -24.13 | -25.88 | -19.06 | -21.76 |
前年同月比[%] | +11.97 | +19.87 | +20.31 | +26.89 | +8 | +9.694 | +6.674 | +13.64 | +8.38 | +17.3 | +5.501 |
じゃがいもの安い順
2025年5月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 札幌市 | 大阪市 | 横浜市 | 京都市 | 主要市場 | 東京都 | 福岡市 | 金沢市 | 名古屋市 | 広島市 |
最新値[円/kg] | 254.4 | 168 | 234 | 245.3 | 245.7 | 247.3 | 249.3 | 257.7 | 258.7 | 261 | 264 |
前月比[%] | -19.2 | +7.692 | -26.8 | -26.62 | -18.92 | -19.78 | -21.76 | -19.06 | -25.88 | -24.13 | -14.65 |
前年同月比[%] | +12.38 | +14.54 | +0.862 | +6.052 | +15.52 | +8.798 | +5.501 | +17.3 | +8.38 | +13.64 | +9.694 |
じゃがいもの推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
じゃがいもの価格についての推移と展望
2025年5月時点での全国平均価格は254.8円/kgと、前年同月比では概ね上昇傾向(約+10%前後)である1方、前月比では-18.38%と急落しています。これは例年春季以降に新じゃがが多く出回ることや、産地間の出荷調整の影響が反映されていると考えられます。
都市別価格の特色と背景
高価格帯の都市
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仙台市(299.7円/kg) もっとも高値を記録。東北地域では天候による収量変動が大きく、需要と供給の不均衡が価格に直結しやすい。
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北9州市・沖縄県(約280円/kg) 流通コストや地理的要因から価格は高めに推移。特に沖縄県は本土からの輸送負担が価格に反映されやすい。
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高松市・広島市 価格水準は全国平均よりやや高く、卸売量に対する消費量のバランスが崩れることで変動幅も大きい。
中間価格帯の都市
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神戸市・名古屋市・金沢市(約258〜261円/kg) 大消費地に近く物流インフラが整っており、相対的に安定した価格を形成。前年比では約+7〜14%と堅調。
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福岡市・東京都 安定した需要がある1方で、前月比では2割前後の値下がりが目立ち、需給調整が進んでいる可能性がある。
低価格帯の都市
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札幌市(168円/kg) 唯1200円を大きく下回る価格。北海道は主産地であるため、現地流通分は価格が安定しやすく、地産地消の恩恵が大きい。
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大阪市・横浜市・京都市 いずれも200円台前半で、前月比は20〜27%の大幅下落。価格の調整局面と見られ、販路の絞り込みや在庫調整が背景か。
最近の課題と市場の動き
在庫と需給のミスマッチ
じゃがいもは収穫後に貯蔵・出荷が可能な作物だが、近年は物流費高騰や労働力不足により、在庫の適正管理が難しくなっている。
気象影響と産地の分散
異常気象や病害の影響を受けやすく、特に北海道産が不作であると全国に波及的な影響が出る。近年は9州や東北などでも代替産地としての生産が拡大しているが、品質や供給量の差異は大きい。
今後の価格推移の展望
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短期的には安定下落傾向春から夏にかけては供給が増え、価格は下落基調で推移すると見込まれる。ただし、天候不順による局地的な高騰リスクには注意が必要。
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中長期的には持続的な上昇圧力も農業従事者の高齢化や輸送費の高騰など構造的課題から、価格は徐々に上昇していく可能性が高い。特に都市部や離島では顕著。
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消費地・産地間連携の重要性今後は産地リスクの分散と、消費地との直販・契約栽培などを通じた価格安定施策が求められる。
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