じゃがいもの卸売価格は、2025年5月時点で地域差が顕著。仙台市は約300円/kgと高値を記録し、松江市は前年比+45%と急騰。一方、北海道・東北の産地では100円台前半で安定。流通コストや地域の需給バランスが価格差の要因。今後は物流環境と産地直販化が鍵となる。
じゃがいもの卸売り市場価格
じゃがいもの高い順
仙台市 | 北九州市 | 沖縄県 | 高松市 | 松江市 | 広島市 | 神戸市 | 名古屋市 | 金沢市 | 福岡市 | |
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最新 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2021年12月 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2025年5月 |
最大期 | 2025年4月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 |
最新値[円/kg] | 299.7 | 280.3 | 280 | 270 | 266 | 264 | 261 | 261 | 258.7 | 257.7 |
最大値[円/kg] | 341.7 | 448 | 467 | 466 | 399 | 448 | 381 | 395 | 400 | 399 |
前月比[%] | -12.29 | -18.35 | -7.183 | -24.93 | +7.258 | -14.65 | -5.322 | -24.13 | -25.88 | -19.06 |
前年同月比[%] | +19.87 | +20.31 | +26.89 | +8 | +45.36 | +9.694 | +6.674 | +13.64 | +8.38 | +17.3 |
じゃがいもの安い順
札幌市 | 水戸市 | 青森市 | 三重県 | 旭川市 | 八戸市 | 長崎市 | 前橋市 | 宮崎市 | 函館市 | |
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最新 | 2025年5月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 |
最大期 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2015年7月 | 2020年7月 | 2020年7月 | 2021年4月 | 2020年7月 | 2015年6月 |
最新値[円/kg] | 168 | 214 | 122 | 250 | 127 | 108 | 108 | 218 | 121 | 157 |
最大値[円/kg] | 214 | 303 | 392 | 495 | 231 | 348 | 349 | 332 | 394 | 281 |
前月比[%] | +7.692 | +6.468 | +0.8264 | +6.383 | -27.43 | -4.425 | -19.4 | +10.66 | -6.923 | +34.19 |
前年同月比[%] | +14.54 | +50.7 | +10.91 | +49.7 | +49.41 | -4.425 | +4.854 | +47.3 | +13.08 | +124.3 |
じゃがいもの推移


その他のデータとグラフ
じゃがいもの価格についての推移と展望
じゃがいもは日本の食卓に欠かせない主要野菜であり、比較的安価で保存性が高いため消費量も安定しています。しかし2008年以降、気象リスクや農業人口の減少、物流コストの上昇などを背景に、価格の年ごとのばらつきが拡大してきました。特に春から初夏にかけては「新じゃが」の流通によって価格が季節的に下がる傾向があります。
最新の都市別ランキングと価格の特色
高価格帯の都市(260円/kg以上)
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仙台市(299.7円/kg) 価格最高水準。寒冷地の需要と供給のバランスに敏感で、物流負担も加味されやすい。
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北9州市(280.3円/kg)・沖縄県(280円/kg) いずれも本土や産地からの輸送距離が長く、地域的に供給不安が価格に反映されやすい。
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高松市・松江市・広島市(264〜270円/kg) 中4国地域は価格水準が全国的に高め。特に松江市は前月比+7.258%・前年比+45.36%と異常な高騰が見られる。
中価格帯の都市(250〜260円/kg)
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神戸市・名古屋市・金沢市・福岡市 都市部に近く、流通の安定性はあるが、消費規模が大きいため価格が上昇しやすい。前年比では+6〜17%の緩やかな上昇。
低価格帯の都市(250円/kg未満)
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札幌市(168円/kg)・函館市(157円/kg)・青森市(122円/kg)・8戸市(108円/kg)・旭川市(127円/kg) 北海道・東北の産地では地元消費向けの価格が著しく安価。物流コストが少なく、供給過剰時には極端に価格が落ちることもある。
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宮崎市(121円/kg)・長崎市(108円/kg) 9州地域でも生産地に近い都市では安値傾向。ただし、長崎市や8戸市では前年比で+5%以下と上昇は限定的。
最近の問題と地域差の要因
気候変動による収穫量のばらつき
異常気象(長雨や高温)が収穫期に集中することで、1部地域では急騰、他地域では過剰在庫のような歪みが発生。
物流と市場統合の影響
市場価格には物流費や仲介コストが大きく関わり、地方ほど価格が上振れしやすい。1方、北海道など生産地は市場での余剰感から価格が安定して安い傾向。
今後の価格推移と展望
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短期的には価格の再調整局面 春以降の新じゃが流通による供給増で高値をつけた都市は1旦下落へ。特に名古屋・金沢・高松では前月比-24〜26%の大幅下落が顕著。
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中長期的には地域格差の拡大懸念 農業従事者の減少と物流インフラの偏りにより、地方では価格が急騰しやすくなる1方、大都市圏では1定の価格抑制力が働く。
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地方自治体の流通支援や直販ルート整備 今後は産地が都市部と直接契約する動きが進めば、地域間の価格格差が緩和する可能性も。特に松江・高松のような中規模都市がモデルケースになるか注目。
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